世界大手オンライン旅行ブッキング・ドットコム(Booking.com)は、日本でアクティビティ・体験予約に参入する。すでに世界40か国・地域で展開されている体験・現地ツアーなどの検索・予約機能「ブッキング・エクスペリエンス(Booking Experience)」の運用を東京で開始するもの。同社日本代表のアダム・ブラウンステイン氏は、「顧客中心という考えから、お客様のニーズを反映する形でこのようなサービスを開発した」と自信をみせている。
ブッキング・エクスペリエンスは、同社サイトで宿泊予約をしたユーザーが対象。対象都市で宿泊予約をしたユーザーには、事前登録した自身のクレジットカードに紐づいたQRコードがメールで送信される。該当する観光施設では、QRコードをスマホ上に提示することで入場が可能となり、購入も完了。優先入場や特別価格の提供も実施する。
ただし、オンライン上で事前の決済や座席確保には対応していない。そのため、当日、定員に達している商品は掲載しない方針だという。
これらの機能は、他サイトに誘導されることなく、全プロセスをブッキング・ドットコムのサイトやアプリ内で完結する。
今回始まった東京でのアクティビティ・体験として提供されるアトラクションや観光スポットは、現在のところ、江戸巡り、 茶道体験、エンターテイメントショー、人力車ツアー、富士山日帰りツアー、博物館、アトラクション施設など。東京のホテルを予約した国内外のユーザーに、チェックイン日の約2週間前に本人だけに有効なQRコード付きのメールが届く。
アクティビティの提供は個人・法人問わず、パートナーシップも視野
同社は、こうした体験の提供元を企業・個人を問わず開発を進めているところ。優先入場や特別割引などの特典の提供を提案しており、ブラウンステイン氏によると「ブッキング・ドットコムは、国内外からのお客様とプロダクトオーナーを結びつかせるというマーケティングのお手伝いをしており、割引も含めてメリットを見出していただいている」という。こうしたコンテンツ開発をすすめ、今年末までに関西地区に展開も視野に展開していく方針だ。
また、コンテンツを拡充していくなかで、他社との連携も視野にいれている。ブラウンステイン氏は、「現時点では、当社のサイト内での展開にフォーカスしている」としながらも「パートナーシップは個別、企業連携の両方で積極的に開発している」と明かした。
なお、同社グループは、先ごろ社名やロゴを一新し、「プライスライン」から「ブッキング・ホールディングス」に変更。各種サービスの中から中核サービスとなるブッキング・ドットコムを冠とした。また、日本サイトではグループ内の旅行比較サイトKAYAKと連携して航空券の検索機能の試験提供も始めている。こうしたことから憶測されるグループ内の各種サービス(レストラン予約や航空券予約など)を一つのサイトに集約する可能性について、ブラウンスティン氏は否定している。
ブッキング・エクスペリエンスは現在43言語で提供。対象都市は、アムステルダム、バンコク、バルセロナ、ベルリン、ブダペスト、コペンハーゲン、ドバイ、クアラルンプール、リスボン、ロンドン、オスロ、パリ、プラハ、ローマ、シンガポール、シドニー、東京、ウィーン、ワルシャワなど。
トラベルボイス編集部 山岡薫