2018年6月15日に民泊新法の施行される。それを前に、仲介サイト各社では違法民泊の非掲載などで対応が進んだ。エアビーアンドビー(Airbnb)が6月7日に違法民泊のサイト掲載を削除、15日以降の予約をキャンセルしたが、各社とも同様の動きが見せている。
世界大手オンライン旅行会社として、ホテル・旅館などとともに民泊物件を扱うブッキング・ドットコム(Booking.com)は、6月11日夕刻に自治体への登録番号がない民泊物件の掲載を取り下げ。同時に、該当物件の予約はキャンセルとなる旨、予約済みユーザーにメールなどで通知した。同社では、ホテル・旅館とともに民泊を取り扱っているため、代替施設の案内や振り替えを各国のカスタマーサービスが行っている。
同社広報によると、同社では、当初、新法施行日である15日までに登録番号の提出がない場合、掲載を取り下げることとしていた。しかし、6月1日付けで観光庁が民泊仲介業者への違法物件に関わる予約取り消しや変更を要請。非掲載や予約の取り消しを、6月11日18時に早める形で対応した。
中国大手の民泊仲介「途家(トゥージア)」でも、違法民泊施設の掲載取り下げと、15日以降の予約キャンセルを実施。ホストには、6月11日に非掲載となる旨を案内し、ゲスト側にも予約のキャンセル・振替えの連絡を始めたという。同社は、民泊のみを取り扱うため、キャンセルには返金や次回予約で利用可能なクーポン発行で対応。同社のユーザーは、ほとんどが中国人旅行者のため、この対応は中国・北京の本社側で行っているという。
こうした動きで、新法施行後には各社ともに違法民泊は非掲載に。その影響で、エアビーの日本の民泊施設は、これまでの2割程度まで激減したといわれている。各社とも、正式な数値の発表はしていないものの、日本の民泊施設の掲載は激減しているようだ。
観光庁によると、現時点で観光庁に正式登録している仲介業者は46社。ホスト登録を自治体に対して行っているのは2707件(2018年6月8日段階)。新法に沿った民泊物件は、まだまだ少ない。一方で、営業日数制限から旅館業法上の簡易宿所での登録が増加するという現象も起きており、民泊市場が今後、どう成長していくのか注目が集まる。