ナビタイムジャパンは、外出自粛要請と緊急事態宣言によって変化した人の移動の傾向について、ナビゲーションサービスのユーザーの同意を得たデータをもと振り返り分析、その結果を発表している。
これによると、東京都心への交通量は、緊急事態宣言中は以前の6割程度まで減少していたが、緊急事態宣言が解除された6月以降は回復。6月15日の週には9割程度まで戻った。
また、目的地の検索数の変化を交通手段別(自動車・自転車・公共交通)にみると、自動車や公共交通が以前の水準から低下して推移しているのに対し、自転車は増加。6月初めには検索数が約2倍に増えた。緊急事態宣言後には自動車と公共交通の検索数は回復傾向にあるが、コロナ禍の生活でユーザーが、密の空間のない自転車へとシフトしたことが見て取れる結果となった。
自動車ユーザーの検索目的地をジャンル別でみると、緊急事態宣言で「生活雑貨/日用品」以外は大きく落ち込んだが、解除後には営業を再開した「ショッピングモール/商店街」がいち早く回復基調となり、6月15日には以前の水準の8割程度まで回復した。「宿泊/温泉」は5割強、「映画/劇場/ホール/ライブハウス」は3割に満たない程度だが、徐々に需要が戻りつつ状況がうかがえた。
このほか、目的地の検索ランキングの上位10件を見ると、緊急事態宣言中はそのほとんどを「生活雑貨・日用品」の店舗が占めたが、4位には休園中にもかかわらず、「観光スポット・テーマパーク」の「東京ディズニーランド」が唯一、ランクインした。
これを踏まえ、ナビタイムではゴールデンウィーク中(5月3日~6日)に東京ディズニーリゾートの入口を通過した車両の走行データを分析。すると、前年は東京ディズニーリゾートでデータが途切れ、リゾート内に立ち寄ったことがうかがえる利用が多かったが、今年は周囲をぐるりと通過。これを踏まえナビタイムでは、立ち寄ることができなくても、ドライブで訪れるユーザーが多くいたとみている。