米上下両院は2020年12月20日(現地時間)、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため総額9000億ドル(約93兆円)の追加経済対策に合意した。このうち、航空業界へは、当初要求額よりも100億ドル(約1兆300億円)少ないものの、追加給与救済として150億ドル(約1兆5500億円)が充当される。
米・観光産業ニュース「スキフト(Skft)」によると、この救済を受けるには、2020年10月1日以降に解雇した就業員を復職させることが求められる。復職した従業員には12月1日から給与が支払われることになる。また、少なくとも2021年3月31日までに米国すべての空港で国内便を復活させる必要がある。
さらに、この救済を受けることで、役員報酬と自社株購入の上限設定も延長されることになる。
一方、ホテル業界については、追加救済への期待は高くなかったが、約2800億ドル(約29兆円)が中小企業向けローンの「支払い保護プログラム(PPP)」の再開に当てられることになった。これにより、多くのホテル経営者がこのPPPを利用できるようになる。
連邦政府の予算が20日に期限を迎えるにあたって、今回の合意に至るまで、民主党が主導権を握る下院と共和党が主導権を握る上院、そしてトランプ大統領との間でせめぎ合いが続いていた。上下両院が合意に達したことで、21日にも追加経済対策の法案が議会で可決され、トランプ大統領の署名を経て成立する見通し。
※ドル円換算は1ドル103円でトラベルボイス編集部が算出