エイチ・アイ・エス(HIS)専務取締役でHIS JAPANのプレジデントを務める中森達也氏が、2021年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。
中森氏は、コロナ禍の昨年5月に開始したオンラインツアーに、累計3万人が参加したことを紹介。世の中の変化を新たなチャンスへ転換できる一例との自負とともに、危機を乗り越えようとすることがさらなる原動力となり、新たな一歩を踏み出すことができると述べた。
そして2021年は、様々な変化を受け入れながら、新たな形を形成する年になると展望。既成概念にとらわれず、新しい旅行業を歴史に刻むことになる最初の年になるとしている。
発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。
2021年 新年のご挨拶
新春のご挨拶に先立ち、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、罹患された方々、ご家族、関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、医療関係者をはじめ、感染拡大防止に日々ご尽力されている方々に深く感謝申し上げます。
新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2020年を振り返ると、新型コロナウイルス感染症によって、旅行市場はもちろん、観光業界、経済活動全般において、過去経験した事の無い深刻な状況がもたらされ、今も危機が継続しているというのが実感です。
コロナ禍に伴い様々な変化がもたらされました。最も大きく変わった点を一つ上げるとすれば、コミュニケーションのあり方だと考えます。さまざまな人とのつながりがリアルからデジタルへと大きく変化しました。それに伴い、個別対応でのサービス提供、個別化が様々な業界で進んでいます。個別化はパーソナライズされるというプラス面と孤立化を招くという危うさを合わせ持っています。
この様な状況下でも、弊社が掲げる旅行を通じて人と人が交流する事で相互理解を促進し、人類の創造的発展と世界平和に寄与するという理念の実現に向けて、人と人とが交流するコミュニケーションの場を提供することは、これからも変わる事はありません。
人と人がつながっている安心感がベースとなり、旅行本来の楽しみを感じる事が出来るという原点に立ち返り、このような環境下だからこそ、人と人のコミュニケーションの場をより多く提供する必要があると考え、昨年5月よりオンラインツアーを実施しております。
今までに累計で30,000名以上のお客様にご利用いただいております。何よりご参加されたお客様が、現地ガイドや現地社員とのコミュニケーションを楽しんでいただけた声を数多く頂いたことで、人と人をつなぐ場の提供を続けることの価値を再認する機会となりました。手前味噌ながら、自社の強みを活かし、世の中の変化を新たなチャンスへ転換することができる一例と自負しております。如何なる危機も、それを乗り越えようとすることで、それがさらなる原動力となり、新たな一歩を踏み出すことができます。
2021年は、旅行業界においても、様々な変化を受け入れながら、新たな形を形成する年になろうかと思います。東京オリンピック・パラリンピックもひかえています。既成概念にとらわれず、お客様に受け入れて頂き、喜んで頂ける商品を提供するという原点に回帰し、様々な局面を乗り越えて新しい旅行業を歴史に刻むことになる最初の年です。
微力ながら、弊社も旅行業の進化に尽力してまいります。
本年も引き続き、株式会社エイチ・アイ・エスおよびHISグループへのご理解、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
2021年 元旦
株式会社エイチ・アイ・エス
専務取締役 HIS JAPAN プレジデント
中森達也