東京・千代田区観光協会は、100年以上の歴史のある「神保町中華街」を紹介している。神保町エリアはかつて、「チャイナタウン」と呼べるほど中華料理屋が多く、中華街が形成されていたという。明治維新を学ぶために多くの中国の留学生が来日していた時代で、商業の街である横浜や神戸などと違い、学生の街として発展。ピーク時には約1万人の中国人留学生が滞在していた。現在の横浜中華街の人口6000人強をはるかに上回る規模の中華街だったとしている。
そのため、今も残る老舗の中には、周恩来や孫文など、歴史の教科書に登場する人物が通った店も少なくない。例えば、明治44年創業の「漢陽楼」は、周恩来は日記にも記していたという。また、「赤坂 維新號」には、蒋介石や魯迅も通っていた。こうした名店には、名物料理のほか、偉人たちのお気に入りのメニューが残っていたりする。テイクアウトが可能な店舗も多いことから、千代田区観光協会では、リバウンド防止措置期間中の自宅での楽しみ方として、歴史ある神保町の中華街をアピールしている。