マスターカード日本地区社長のチャン・ユンソク氏が、2022年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。
チャン氏はコロナ禍で人々の生活にデジタルが当たり前のように定着し、決済分野でも非接触を含むキャッシュレス決済の利用が世界的に加速していることを説明。国際基準の決済インフラを実装していることが、訪日旅行の回復時に観光地の競争力を高める重要な要素になるとし、真の観光立国になるにはその基盤となるキャッシュレス化が欠かせないとの考えを述べた。
世界の決済データを活用したコンサルテーションやデータ分析の専門部門を有していることも紹介し、グローバル観点でのキャッシュレス化推進とインバウンド施策のサポートで、地域活性化や観光産業の拡大に貢献すると述べている。
発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。
2022年 新年のご挨拶
新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
2022年Mastercardは、新型コロナウイルス感染症の影響を最も強く受けた産業の一つである観光産業の回復、再活性化へ期待を寄せています。また、感染症終息後の回復が見込まれる出張や観光のトラベル需要の拡大に比例して増加が見込まれる国内および国際間の決済、さらに訪日外国人によるカード決済利用の増大を踏まえ、Mastercardは引き続き、パートナー企業の皆様とともに、利便性の高い、安心で安全な世界基準のペイメントサービスを提供してまいります。
ニューノーマル ―社会はより「デジタル」へ
2021年を振り返ると、新型コロナウイルスに対応するニューノーマルが経済活動全般において定着しはじめ、企業がサステナビリティ等の新たな価値観に基づくビジネスモデルを模索し、それを具現化し始めた年だったのではないかと考えます。日本政府が推進する成長戦略の追い風を受け、このような変化はこれまでにないほど急速に拡大し、人々の生活には「デジタル」が当たり前のように定着してきたように感じられます。
観光立国としての競争力を左右する決済インフラの整備
ペイメント(決済)の分野においてもそれは例外ではありません。2021年にMastercard が発表した調査では、端末等に触れずに決済を完了する「非接触(コンタクトレス)」を含むキャッシュレス決済の利用が世界的に加速していることが明らかになりました。ポストコロナで出入国の制限が緩和され、今後インバウンド需要が回復した際には、海外からの観光客がストレスフリーに利用できる国際基準の決済インフラを実装していることが、魅力的な観光地としての競争力を高める上で非常に重要な点になると考えます。
現在日本には、QRコード決済や交通系ICカード等、国際基準の規格とは互換性がない、日本独自の規格によるキャッシュレス決済が普及しつつあります。然しながら、店舗や交通インフラに国際基準の規格に対応した決済端末・機器が導入されていないと、海外からの観光客が携帯するカードやスマートフォンで決済することはできません。
日本が真の観光立国となるためには、その基盤となるキャッシュレス化が欠かせません。なかでも、決済のガラパゴス化を避ける、国際基準の決済ネットワークインフラの普及が地方都市を含めて必須です。Mastercardは、国際決済ネットワークのリーディング企業として、世界最速、利便性と安全性を兼ね備えた地球規模での決済インフラの普及をパートナー企業と共に、日本で推進しています。
Mastercardのグローバルネットワークを活用したインバウンド施策の実施
Mastercardは、事業のコアとなる国際決済ネットワークの提供のほか、世界の決済データを活用したコンサルテーション及び、データ分析の専門部門を組織内に設置しています。例えば観光関連の消費分析や消費行動分析等、企業のビジネス課題を解決するための付加価値サービスを提供しています。また、世界各国のMastercardと取引のあるカード発行会社・金融機関を通して日本の観光、インバウンド送客を推進するグローバルプラットフォームを持ち、トラベル関連企業とのコラボレーションや自治体のインバウンド観光客誘致のサポートを行っています。出発前、日本国内での体験、旅行後の各段階における消費分析や効果測定を組み合わせ、データに基づく包括的なインバウンド推進施策をサポートしています。
真のキャッシュレス社会の実現が日本の観光・旅行業界を活性化させる
消費者に向けたキャッシュレス化の取り組みに加え、企業間決済におけるデジタル化も重要です。Mastercardは、トラベル業界でもホテルや旅行会社といったビジネス間の請求清算業務の合理化と経費管理の効率化も支援しています。また、Mastercardは、グローバル観点でのキャッシュレス化推進とインバウンド施策のサポートを提供することで、自治体が進める地域活性化への取り組みや観光・旅行業界の拡大に貢献することを目指しております。
日頃からのご愛顧に改めて感謝いたしますとともに、皆さまにとりまして2022年が素晴らしい一年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
Mastercard
日本地区社長 チャン・ユンソク