旅行先や出張先で取引先との会食は会議費か?それとも交際費か?

旅行・観光ビジネスで役立つ税知識<第9回>

こんにちは。税理士の菊池美菜です。

出張や旅行と、現地での会食についてまとめてみたいと思います。


1、得意先を旅行に招待した場合

得意先を旅行に招待して接待した場合は、交際費になります。また、旅行先での宴会や飲食代、お土産代も交際費になります。


2、旅行を伴う会議

得意先と旅行先で会議を行うことがあると思います。この場合に重要になるのは、会議としての実体があるかどうかです。時間配分やレジュメの準備、講師の選任など会議としての実体があれば、会場費・講師代・交通費・宿泊代も会議費になります。通常の昼食や、休憩時のお茶代なども会議費になります。しかし、会議というのは名目だけで、実体が懇親会や観光だと、交通費や宿泊費は交際費になります。


3、 海外出張先で観光も合わせて行った場合

海外出張中に業務や会議と、観光旅行とを併せて行ったときは、その海外出張旅費を業務の遂行上必要な部分と、観光等の部分の期間の比等にあん分して、業務の部分は会社の旅費にしますが、観光の部分は給与とします。ただし、その海外出張が特定の取引先との商談、契約の締結等法人の業務の遂行のためであるときは、その往復の航空券代等(当該取引先の所在地等その業務を遂行する場所までのものに限る。)は、法人の業務の遂行上必要と認められるものとして、旅費になります。

ご参考までに、交際費の課税について。

中小企業(資本金1億円以下)が法人税を計算する際に、交際費は、従来は年間600万円以下の部分の金額については10%が、法人の利益に加算されて計算されていました。600万円を超える金額は、全額が法人の利益に加算されます。つまり、100%が会社の経費にならないということでした。


平成25年の改正で、25年4月1日以後に始まる事業年度から、800万円までは、100%法人の経費に入るように改正されました。この措置は、当初は1年間でしたが、今後の税制改正で延長になるか、打ち切りになるかは今のところわかりません。


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