観光庁が発表した主要旅行業者49社の旅行取扱状況速報によると、2016年11月の総取扱額合計は前年比1.7%減の4837億7728万円。そのうち海外旅行は1.5%増の1679億6955万円、外国人旅行は3.0%減の170億8514万円、国内旅行は3.3%減の2987億2259万円だった。総取扱額合計は2016年5月以降7カ月連続で前年割れ。外国人による訪日旅行は2016年7月以来4ヵ月ぶりでマイナス遷移となった。
海外旅行の取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。11月は上位5社(JTBグループ15社、H.I.S.グループ5社、阪急交通社グループ3社、日本旅行、KNT-CTグループ8社)のうち、日本旅行は6.9%増の伸びを示して4位に浮上。代わってKNT-CTグループが5位にランクダウンした。
外国人による訪日旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。11月は上位5社(JTBグループ15社、日本旅行、H.I.S.グループ5社、KNT-CTグループ8社、東武トップツアーズ)のうち、東武トップツアーズが先月に続き楽天を抜いて5位に。HISとKNT-CT、東武トップツアーズは2桁の伸び。一方でJTBグループは2ケタ減となっている。
国内旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。11月は上位5社(JTBグループ15社、楽天、KNT-CTグループ8社、日本旅行、ANAセールス)のうち、楽天が前年比8.9%増で好調。JTBグループは約1割減でマイナス幅を拡大した。
旅行商品ブランド全体の取り扱い状況
2016年11月の旅行商品ブランド(募集型企画旅行)は、総取扱額が前年比3.6%減の1308億8479万円、取扱人数合計は4.3%減の325万1606人だった。
そのうち、海外旅行は取扱額が前年比0.5%減の450億6454万円、取扱人数は6.7%増の25万2635人。外国人旅行は取扱額4.4%減の5億4590万円、取扱人数が0.5%増の3万2900人。いずれも取扱額が前年割れとなった一方で人数は増加し、単価の減少傾向がうかがい知れる結果に。国内旅行の取扱額は5.1%減の852億7435万円、取扱人数は5.2%減の296万6071人となっている。
方面別の全体傾向
旅行会社へのヒアリングによれば、海外旅行は、前年同月がパリで発生した同時テロによる取扱額減となった反動で、2016年11月はプラス遷移に。外国人旅行は前年の大型団体旅行受注の反動などにより前年割れ。国内旅行は、前年と比較して日並びが悪く、その反動などにより減少したとしている。