東日本旅客鉄道(JR東日本)はお問い合わせセンターに、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)のAI(人工知能)プラットフォーム「IBM Watson」(ワトソン)を活用したシステムを導入することを発表した。
JR東日本と日本IBMは2015年11月から、ワトソンを活用したお問い合わせセンターの業務支援システムの開発と検証に取り組んできた。今回のシステム導入はこの結果を受けたもの。これは世界の大手鉄道事業者として、初めての取り組みになるという。
同システムでは、お問い合わせセンター宛ての電話の内容を、AIが自動的に判断。回答内容の候補をオペレーターに提示する。問い合わせの内容は時刻や運賃から、きっぷ、Suica、各種イベントまで多岐にわたる。これらの回答内容の候補や関連資料をAIが判断し、瞬時に画面に表示することで、担当者の業務支援に繋がる。
このほか、回答の所要時間の短縮も期待でき、これにより電話の繋がりやすさや回答品質の均質化など、サービスの向上にも期待しているという。システムのイメージは以下の通り。導入時期は2017年度下期以降、時刻・運賃に関する問い合わせから順次導入していく。
なお、JR東日本では2016年11月に「技術革新中長期ビジョン」を策定。これに沿い、今後もAIなどを活用したサービス見直しや、従来の発想の枠を超えた「モビリティ革命」の実現を目指すとしている。