世界の海外旅行者数で成長続く、過去7年間で最高、2017年上半期は6%増の約5億9800万人 ―UNWTO指標

国連世界観光機関(UNWTO)が発表した「世界観光指標(World Tourism Barometer)」によると、2017年上半期(1月~6月)の累計海外旅行者数(国際観光客到着数)は前年比約6%増(約3600万人増)の5億9800万人だった。この数字は、半年間の累計として2010年上半期以来の最高。この7年間の成長率(4%)をもはるかに上回った。

地域別にみると、伸び率の最高は中東で前年比9%増。次いで欧州が8%増、アフリカが8%増、アジア太平洋地域が6%増、米州が3%増。

その中でも成長をけん引したのは、地中海エリア。トルコやエジプト、チュニジアなどが前年落ち込みを見せていたことの反動もあり、南欧・地中海エリアの成長率は12%増を記録。北アフリカの16%増、中東の6%増とともに高い成長となった。

南アジアは12%増でアジア太平洋圏の拡大をリード。東アジアは8%増、東南アジアは7%増、北東アジアは4%増にとどまった。

なお、米州では、北米への到着数が2%増と伸び幅が縮小。その一方で、メキシコとカナダの堅調な伸びと相殺される結果に。南米は6%増、中米が5%増、カリブ海エリアが4%増だった。

この結果を受け、タリブ・リファイ事務局長は「今期の結果は、観光市場の健全な成長を示している」とコメント。世界中の多くの地域において、雇用や経済的成長、発展につながる機会を創出していると評価した。その一方で、今年のテーマである「持続可能な観光」にも言及。環境保護や各地の文化遺産の保存、地域コミュニティを尊重する取り組みの重要さも訴えている。

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