菅官房長官「インバウンド4000万人は射程に入った」、旅行業界の新春イベントで講演、観光政策の成果に自信 ートラベル懇話会

旅行業界の関係各社が集う毎年恒例のトラベル懇話会「新春講演会」が行われた。第40回目となる今年の講演は、菅義偉内閣官房長官が登壇。「観光立国ニッポン~観光先進国に向けて~」と題した内容で、自身の政治家としての取り組みから日本の観光施策まで1時間を超える講演を行った。

まず、菅氏は、安倍政権における活動について説明。「政治が進まなければ物事は前に進まない」「安倍政権が政治主導で改革意欲に富んでいる、それが基本姿勢」として、過去5年間の政策で特に経済面での成果が出ている点を強調した。少子高齢化が進む日本で、国民の安全と生活を守るために「強い経済が必要」として、株高、女性の雇用増加、為替の安定、地方の税収アップなどが実現し、「経済の好循環が進んでいる」とした。

そんななかで、菅氏は観光立国への政策は「目に見える一番の成果だった」と評価。政権発足時の訪日客は約800万人台だったが、昨年2017年の年間値は「2860万人を超えるだろう」とみている。さらに、2020年の目標値である「4000万人は射程に入った」と語り、インバウンドの成長が順調である理由を「政治が意思として政策を行ってきたからだ」と自信を見せた。

質疑応答で「行きたい国は?」と聞かれ「孫とハワイに行きたい」という一幕も。

今後については、世界で増加を続ける観光客のなかでも、「欧米からの旅行者にはまだまだ大きな可能性がある」とみているという。また、4000万人の次に控える2030年の6000万人の目標についても、現在すすめている施策を継続・発展させることで「間違いなく実現する」と力を込めた。

そのために、特に実行しなければならないこととしてはあげたのは、歴史的公的施設の開放。例えば、これまで東京では迎賓館、皇居の乾通りなどで実績を重ね、新たな観光スポットとして国内外から人気を集めるようになった。今後も、こうした開放を進めていく方針で、国立公園についても同じく進める考え。これらが「守ることが主になっているが、見てもらう視点に変えなければ」と話し、今後の推進に意欲を見せた。

さらには、新たに導入される新税・国際観光旅客税についても言及。菅氏は、新税によって生まれる財源で観光立国への環境づくりを加速させたい考えで、「財源を活用して、顔認証などのCIQなど最新設備を一挙に投入し、出入国で旅行者が行列をつくる風景をなくしたい」「国立公園、文化財の整備に税を使わせていただきたい」と新税への理解を求めた。

講演の終盤では、旅行業界関係者に向けて「できることはすべてやりたい」「観光が発展する環境を政府として整備することを約束する」と明言。政府として、観光立国にむけた取り組みをさらに強化していく姿勢を示した。

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