JATA田川会長が語った2018年旅行市場動向、上向き傾向で「明るい兆しは継続」、出国税で次世代の観光立国実現へ政策提言も計画

日本旅行業協会(JATA)は新春記者会見を開催し、会長の田川博己氏が2018年のマーケット概況と取り組みについて発表した。

田川氏は2018年を、ツーリズム産業が責任を持って持続可能な発展をするための「変革の時代の幕開け」と表現。特に対応が必要なものとして、(1)新設の国際観光旅客税(いわゆる出国税)、(2)てるみくらぶ事件の再発防止や弁済制度の改定、(3)ランドオペレータの登録制度や通訳案内士の制度改定、をあげた。

このうち(1)については、海外旅行の促進策や次世代の観光立国を実現させるための政策提言をするとし、2019年予算では若者の海外旅行の需要喚起や二国間交流の活発化などを働きかけていく方針。2月までに骨子を作り、2~3月中に提言を出す予定だ。

また、(2)に関しては昨年12月、業界の自主ルールとして旅行の申込金は20%以内、残金は出発日前2か月を切ってから収受するというガイドラインを設け、4月からは通報制度も始まる。この機会に、JATAが弁済制度を補う任意制度として設けている「ボンド保証制度」についても普及を推進させる。旅行会社が海外旅行の募集型企画旅行の1%を積み立てる制度で、今後は加盟各社が募集パンフレットに大きく表示するなどして、消費者の旅行選びの基準となるようアピールを強めていく。

このほか、2年目となる海外旅行促進のアウトバウンド促進協議会は活動を強化。今年は「日仏友好160周年」や「ロシアにおける日本年」「スペイン外交関係樹立150周年」など、日本と関係の深い国々が記念の年を迎えることから、二国間交流を強化する方針だ。

さらにツーリズムEXPOジャパンでは、(1)文字通りの「観光博覧会」にする、(2)経済効果、(3)名実ともに世界3大観光イベントとする、の3点を心がけて展開。特に(2)については、展示商談会を核とするBtoB商談会を完成させ、2019年の初の地方開催に繋げる考え。地方開催については現在、商談を除いても25億円の経済効果があるとの話をしているという。

JATAでは2017年の国内マーケットについて、海外旅行は1800万人前後、国内旅行もJTB予測で3%増の3億570万人と回復傾向となり、インバウンドも3000万人に迫る勢いなど、上向き傾向にあると認識。2018年のマーケット概況について、「この明るい兆しは継続する」との見通しだ。旅行会社の取扱いでも、主要50社統計で旅行会社の取扱いが市場の伸びを上回った(2017年1月~9月)。好調の要因として、(1)ヨーロッパの復調、(2)中国の伸び、(3)韓国が北朝鮮問題にもかかわらず前年並みに踏みとどまったこと、をあげている。

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