KNT-CTホールディングスの2018年3月期(2017年4月1日~2018年3月31日)の連結業績は、売上高が前年同期比2.3%増の4051億7200万円、営業利益が7.0%増の31億7700万円、経常利益が9.8%増の33億4200万円、当期純利益が14億1200万円となった。
同社は2017年10月と2018年4月の二度にわたってグループ会社分割や事業再編を遂行。また、中期経営計画で定めたスポーツ事業、訪日事業、地域交流事業の3分野に注力した結果、増収増益となった。
ただし、主要セグメント別にみると、状況はやや異なる。個人旅行事業は近畿日本ツーリスト個人旅行の「メイト」にて人気アニメなどとタイアップした旅行プランやオリジナルツアーなどで差別化を強化。新たなネット販売システム「国内ダイナミックパッケージ」のほか、クラブツーリズムが提供するテーマ性の高い旅行商品などが積極的に展開。また、訪日旅行では訪日旅行サイトの刷新や外国人に魅力を提供する専用ツアーの開発などで販売拡大を実践した。その結果、営業利益は2倍増を記録し、増収増益となった。
一方、団体旅行事業分野ではMICE市場への積極開拓やスポーツ事業の受注拡大、世界文化遺産の国宝「姫路城」の管理運営業務受託などを実施。しかしながら、一昨年前におこなわれたリオ五輪2016といった国際イベントの反動減などの影響で減収減益となった。
セグメント別の売上高と営業利益は以下のとおり。
個人旅行事業
- 連結売上高 2284億3700万円(前年同期比 3.8% 増)
- 連結営業利益 14億8700万円(前年同期比 114.3% 増)
団体旅行事業
- 連結売上高 983億9000万円(前年同期比 1.0%減)
- 連結営業利益 8億3300万円(前年同期比 4.8%減)
その他
- 売上高 780億5400万円(前年同期比 2.4% 増)
- 営業利益 7億7100万円(前年同期比 17.0%減)
なお、今後同社では、4月に確立した新体制を通じて「個人旅行事業の再構築と団体旅行事業の拡大・強化」を骨子とする、新しい中期経営計画を推進。近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの顧客情報を集約したうえで、ウェブ販売の増収を目指すマーケティング強化を進めるほか、東京2020オリンピック・パラリンピック大会に向けた事業展開もさらに積極化する計画。
2018年度(2018年4月1日~2019年3月31日)は、通期で売上高2.9%増の4170億円、営業利益は15%減の27億円、経常利益は13.2%減の29億円、当期純利益は55.7%増の22億円を見込む。