豪華客船クイーン・エリザベスが東京発着クルーズ、2020年開業の新ターミナルから、インバウンド需要高く追加クルーズを設定

英国のクルーズ客船会社キュナードは、豪華客船クイーン・エリザベス(QE)の2020年日本発着クルーズについて、秋に3コースを追加設定したことを発表した。

QEの日本発着は、ワールドクルーズの区間クルーズを含め2017年から4年連続で春に設定しているが、秋に運航するのは初めて。2020年は春に横浜基点に4コース計35日間のクルーズを予定しており、秋の東京発着を含めると、2020年の運航数は計7コース・60日間に拡大する。

キュナード・ライン ジャパン代表の児島得正氏は2020年秋のコース追加設定について、日本人の需要は高いとしつつも「2020年の東京オリンピックに向けて、英国及び米国を中心とした海外の注目が高く、需要に応える責務がある」と、インバウンド需要の強さを強調した。今回発表した3コースのうち、初寄港の釧路を含む「北海道周遊とサハリン」は、英国の要望で企画したもので、キュナード初のコースとなる。

また児島氏は3コースの特徴として、日本の美しい秋を巡るコースどりにしたことも説明。日本一周の「秋の日本周遊と韓国」、上記の北海道クルーズ、特に日本の開国の歴史にゆかりの強い都市を巡る「秋の歴史探訪!高知・長崎・鹿児島と韓国」とそれぞれ異なるコース設定で、海外客のなかでも連続乗船で長いクルーズを楽しむ需要にも対応したのも特徴だ。ちなみに、歴史コースは日本市場を意識した企画だという。

キュナード・ライン ジャパン代表の児島得正氏

さらに今回の発着港は、2020年7月にオープンする東京国際クルーズターミナルを使用。東京発着3コースに関しては、キュナードとして初めて、全カテゴリー・全乗客のチップを不要に。キュナードの客船に2回以上乗船したことのある人には、リピーター特典として、カテゴリーに応じて船内で使用できるオンボードクレジットを提供する。

クルーズ代金は、最上カテゴリーのクイーンズ・スイートが65万7000円~、内側が17万4000円~。

このほか、秋の日本発着クルーズに伴い、日本配船の片道クルーズも販売。日本着クルーズはバンクーバー/アラスカ/東京の18泊20日で、児島氏によると同コースは日本人にも人気で、乗客の10~15%は日本人になると見込んでいる。

もう一方の日本発クルーズは、東京/沖縄/香港の7泊8日。初寄港の石垣島の設定もある。秋のクルーズで最も日数が短く、価格もリーズナブルなことから、このクルーズも人気が出ると見ている。

なお、発表会には、東京都知事の小池百合子氏と国土交通省港湾局長の下司弘之氏が来賓として参加。小池氏は東京国際ターミナルが、浅草や銀座などの観光地や東京駅、羽田空港、リニアの始発駅となる品川駅に近い立地であることから、「利便性抜群のターミナル」とアピール。下司氏は日本各地を巡る日本発着クルーズに対し、「日本の地方の魅力を体験してもらえるよう、積極的に取り組む」と述べ、地方創生の推進役との期待を示した。

写真:左から、国土交通省港湾局長の下司弘之氏、東京都知事の小池百合子氏、キュナード・ライン ジャパン代表

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