政府は2018年12月19日に開催したIT総合本部・官民データ活用推進戦略会議の合同会議で、「デジタル時代の新たなIT政策の方向性について(案)」を決定した。デジタル技術を活用したビジネスが急速に拡大するのに合わせ、旧来のテクノロジーを前提とした制度や規制を見直して、新たに必要となる標準やガバナンスを検討。新たな社会システムへスムーズに移行するのが狙い。
今回発表された方向性は、(1)データの安全・安心・品質、(2)公共・民間部門のデジタル時代への対応の促進、の2つの軸で構成。
まず、データの安全・安心・品質については、国際的なデータ流通の枠組みの構築や、個人情報の安全性確保、重要産業におけるオペレーションデータの管理強化を推進。また、政府などがITシステムや5Gなどのサービスを調達するにあたり、確実に安全性の評価を実践できる仕組みの構築を進めるものとした。
一方、公共・民間における対応の促進については、まずは行政のデジタル化の徹底を進め、引っ越し時などをはじめとする国民の手続き負担を軽減する方向。民間部門でも重要産業を中心に、競争性や効率性、安全確保を実現できるシステムガバナンスや投資を推進する。
また、AIの最大活用に向けて「人間中心のAI社会原則」を策定し、AIが社会に受け入れられるための原則を整理。国際的な議論を日本が主導する方向性も決定した。地方のイノベーションを支える取り組みでは、次世代通信インフラ「5G」の全国展開に加え、日本が強みを持つリアルデータを活用した社会基盤となる標準・構造(アーキテクチャ)を強化していく。