国土交通省によると、2018年の訪日客クルーズ旅客数は前年比3.1%減の245.1万人となった。中国発クルーズ客の減少が響いた。日本の港湾への寄稿回数は外国船社運航が1913回、日本船社運航が1017回で、合計は過去最多となる前年比6.0%増の2930回だった。
訪日クルーズ旅客数を方面別にみると、最大シェアの中国発の旅客数が6.3%減の203.6万人と減少。台湾発は0.2%増の27.5万人と前年並みだった。中国発クルーズの寄港回数は2017年の1182回から2018年は999回に減少しており、国交省や観光庁は「マーケットの急拡大に伴って各社が配船を急増させたことにより、競争が過熱して市況が軟化。調整局面に入ったとみられる」と分析している。
2019年も同様の局面が続くと見通す一方で、各社も需要回復に向けた取り組みを進めており、2020年に向けて中国マーケットへのクルーズ船の配船増加が表明されている。官民連携による国際クルーズ拠点形成への対応を進める方針だ。
欧米豪は堅調に推移
観光庁によると、欧米からのクルーズ観光客は2019年4月が前年同月比で米国34.9%増の1万1200人、オーストラリアが33.3%増の8800人となるなど堅調に推移。米国の好調の背景には、地方都市への寄港が増加も功を奏しているといい、2019年も訪日招請やクルーズ会社と連携した旅行会社向けのセミナーなどを強化している。
なお、2018年の日本人のクルーズ人口は32.1万人で、過去最多を更新した。このうち、外航クルーズ人口が前年比9.1%増の21.5万人。ただ、長期の外航クルーズ増加で国内クルーズは減少し、10.2%減の10.6万人だった。