日本バス協会と日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)は「貸切バス連絡会」を構成し、「貸切バスにおける新型コロナウイルス対応ガイドライン」を作成した。
これまで、観光関係では航空会社や鉄道、宿泊施設、旅行会社など、各業界団体などが主体になり、ガイドラインを作成。バス業界にも、日本バス協会によるバス事業者向けガイドラインが作成されているが、今回はバスツアーなど旅行会社が運営に関わる貸切バスについて、バス会社と旅行会社が行なう役割を明記した。
例えば、貸切バス運行の乗車時・降車時の対応では、バス会社は換気の留意や運転席回りの濃密接触の防止、利用者が接触する可能性のある部分の消毒などを実施。旅行会社は、出発前の利用者の体調チェックや手指消毒、降車時の順次の離席といった利用者への協力依頼、参加者の連絡情報の2週間保持などを行なう。
さらに、ガイドラインには、バスの安全性を示すデータを付録として添付。現在、航空機や新幹線などの換気性能が公表されているが、大型観光バスについてもメーカー5社の現行モデルは、約5分~7分で換気が行なわれることを記載した。
6月19日の定例会見でJATA理事・事務局長の越智良典氏は、貸切バスの現状について、「バスツアーは大きなマーケットだが、今のままではゼロになる」と問題意識を提示。車内換気性能についても、「航空機や新幹線などと変わらない」と強調した。
ガイドラインは今後、修学旅行の手引きなどにも入れ込む方針だ。