豪クイーンズランド州政府観光局は、2020年12月4日から6日にかけて、同州のグレートバリアリーフ全域にて世界最大のサンゴの一斉産卵が確認されたと発表した。この自然現象は「海中の吹雪」と呼ばれるもので、毎年夏の時期にあたる11月~12月にかけて発生する。
グレートバリアリーフの浅瀬のサンゴは、2016年、2017年、2020年の白化現象で大きな打撃を受けたと言われている。そのなかで、今回の一斉産卵は、サンゴ自体の回復力を示すものとして捉えられている。
海洋生物学者でリーフガイドのガレス・フィリップス氏によると、産卵は通常、11月の満月より2日から6日後、水温が1カ月にわたり27度を超えた場合に行われるが、そのタイミングは今でも謎のまま。どのような要因によって一斉放出を引き起こすのかは解明されていないという。