米上下両院で2020年12月21日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて打撃を受けた企業などを救済する9000億ドル(約93兆円)規模の追加経済対策が可決されたことを受けて、アメリカン航空とユナイテッド航空のトップがそれぞれ声明を出した。法案はこの後、トランプ大統領の署名を経て成立する見通し。航空会社向けには「給与支援プログラム(PSP)」の延長が予算化される。
アメリカン航空のダグ・パーカーCEOとロバート・アイソム社長は連名で声明を発表した。「アメリカン航空の最前線にいる従業員たちは、過去数カ月に渡って、新型コロナウイルスからの回復に向けて重要な仕事をしてきた。今回、PSPの延長を含む法案が可決されことに感謝したい。国のリーダーたちが、私たちができる限りのことをしてきたことを認めてくれた結果だろう。これにより、一旦は解雇せざるを得なかった従業員を復職させ、再び航空サービスを提供できるようになる。今後も、アメリカン航空は利用者の期待に応え、全米の都市に航空サービスを提供していく。このパンデミックから立ち直り、この国を動かしていくために、これまで以上に努力していく考えだ」。
ユナイテッド航空のスコット・カービーCEOとブレッド・ハート社長は、同航空の従業員向けにメッセージを送った。「ユナイテッド航空は、ここ数ヶ月間、PSPの延長を訴え続けてきた。私たちは、労働組合とともに、新型コロナウイルス危機による損害に対する救済の必要性について、ワシントンDCのリーダーたちに主張してきた。従業員全員が声を上げてくれたことに感謝したい。今回のPSP延長によって、9月30日に解雇した何千人もの従業員を3月31日まで復職させることができる。しかし、今後、2021年第1四半期までは需要の回復はあまり見込めないことも事実だ。そのため、今回の復職は一時的なものになるかもしれない。PSP延長が終了するまでに解決すべき課題も多い。特定の業界向けた次の対応にも期待しているところだ。いずれにせよ、ワクチン接種も始まり、トンネルの先に光が見え始めた」。