ニュージーランド政府は2021年8月12日、年内の全国民へのワクチン接種完了を前提に、2022年にも国境を再開する計画を発表した。同時に、その具体的なロードマップを明らかにしている。ウイルス撲滅戦略の維持、ニュージーランド国民への速やかなワクチン接種、ロックダウンの回避、公衆衛生の強化、安全な旅行に向けた新たな道筋の構築を目的にした、4段階。政府の発表資料から、その内容をまとめた。
入国時の隔離免除が含まれるステップ3や4への移行は、ワクチンの効果が持続することや変異種の挙動が安定することが前提となる。同政府では現時点の状況をステップ1と2の間であるとしている。
ステップ1: 全国民へのワクチン接種が完了するまで
- 入国時、すべての人に対して14日間の管理隔離と検疫(MIQ)を実施
- 限定的な経済活動および人道支援を除き、ニュージーランド市民や居住者の旅行を制限
- 出発前および到着時検査の義務化
- 感染を管理するための警告レベルの維持
- 感染予防として、マスク着用およびQRコード追跡システムの義務化
- 国境管理職員や感染リスクの高い職種グループへの優先ワクチン接種
ステップ2: 全国民へのワクチン接種に向けて
- 全国民へのワクチン接種を推進
- ニュージーランド入国に際し、14日間の管理隔離と検疫(MIQ)に代わる柔軟なスキームの実証を実施
- 14日間の管理隔離と検疫(MIQ)義務化は維持
- 管理隔離と検疫(MIQ)時間の短縮を目指し、新たな検査の義務化の検討
- デルタ株などへの対応として、ICUなど医療提供体制や追跡システムの強化
- 感染を管理するための警告レベルの維持
ステップ3: リスクに応じた入国要件に
- 国ごとの感染状況による3段階の入国要件を導入
- 1. 低リスク国からの入国:ワクチン接種者は隔離を免除
- 2. 中リスク国からの入国:ワクチン接種者には変更された隔離措置を適用
- 3. 高リスク国からの入国:すべての旅行者に14日間の管理隔離と検疫(MIQ)を義務化
- 検査体制は維持
- リスク評価を定期的に実施
ステップ4: すべてのワクチン接種者に対する隔離免除
- ワクチン接種者で検査で陰性が確認された旅行者はすべて隔離免除
- ワクチン未接種者に対しては14日間の管理隔離と検疫(MIQ)を維持
- 入国検査やQRコード追跡システムなど措置は維持
- ブースター接種(3回目以降の接種)についても、要件になる可能性あり