観光庁はこのほど、「安全なMICEの再開と発展に向けた関係者協議会」を開催し、議論の結果をとりまとめた。2021年12月から検討していたもので、MICE再開に向けた日本としての姿勢の発信・アクション、デジタル化・オンライン化の進展への対応、誘致競争力強化に向けて期待される取り組みなどを整理した。感染症の状況変化に応じて適宜対応を見直しながら、関係者や関係省庁と連携し、MICE誘致開催の再開に向けた取り組みを進めていきたいとしている。
協議会は現状の課題として、国際MICE再開に向けた国としての方針や見通しの見えにくさ、海外関係者への情報が不足していると指摘。対応策として、国、日本政府観光局(JNTO)などを中心に、目標の設定、国内外関係者への水際対策や安全・安心の情報発信、主催者への対面開催支援と海外オンライン参加者の訪日促進を図るとした。
MICEのデジタル化・オンライン化への対応の必要性とともに、開催地への訪問者が減少する中での開催意義の再整理・社会的理解の深化も求められている。デジタル化など新たな課題への対応については、ハイブリッド開催に必要な運営ノウハウ、新技術や海外の先進システムの導入による新たなビジネスモデルの検討を促進することで一致。MICEの意義を再定義し、認知度を向上させるため、直接の経済効果だけではないレガシー効果についても積極的に周知するほか、住民、地域全体で受け入れ交流する必要性を指摘した。
また、諸外国との誘致競争の再開も予想される。オンライン化の影響を受けにくいインセンティブ旅行(企業の報奨旅行)の誘致、一般観光との一体化、魅力的なユニークべニューの発掘、広域連携、SDGsを意識した提案も強化するとしている。