スイス・グリンデルワルト観光局局長のブルーノ・ハウスウィルト氏と、同局会長のペーター・エッガー氏が2023年2月に来日し、東京都内で約100名の旅行会社社員を対象にトップセールスをおこなった。グリンデルワルトはスイス観光で需要の高いユングフラウヨッホやアイガー北壁の拠点。街の魅力や進化した交通手段、アトラクションなどをアピールするとともに、日本の旅行会社に今後の商品造成を訴えた。
アジア市場は韓国に勢い
今回の来日は、スイスが入国規制を緩和した2022年に続き、2年連続。タイ、台湾、インドネシア、韓国などを含むアジア地域でのセールス活動の一環だ。2022年、グリンデルワルトを訪れた旅行者のアジアシェアは20%。そのほとんどを韓国人客が占めている状況で、日本や中国からの戻りは鈍いという。しかし、長年、アジア市場を牽引してきた歴史を持つ日本市場は特別な位置づけの市場であり、ハウスウィルト氏は、情報発信やPRを継続しながら「忍耐強く、長い目で見ていく」と語った。
また、長野県・安曇村(現・松本市)との交流なども長年積み重ねてきており、「中学生など若年層交流プログラムも活発化している。こうした民間交流を大切にして、次代に向けて積み重ねていきたい」と話した。
ビジネスクラスの需要高まる
一部大手旅行会社からは、「夏のスイス商品は出足が好調」、「フライト時間が長くなった関係で、ビジネスクラスの需要が高まっている」、「価格帯にこだわらない層には、やはりヨーロッパの需要は高い」といった声もあり、ハウスウィルト氏も「日本の消費者の、旅行に対する欲求が高まっていることは感じている」と前向きな姿勢を示した。
なお、セミナーでは新たなホテル建設によるベッド数の増加、2020年12月にはグリンデルワルト・グルント駅/アイガーグレッチャー駅を約15分で結ぶ新ロープウェイ「アイガー・エクスプレス」が開業したことにより、輸送力が大幅に増加したことなどを紹介。さらにアクティブシニア向けのアトラクションとして、夏だけでなく、冬に湖畔やアイガー北壁の下を歩くウィンターハイキングの提案が行われた。会長のエッガー氏は「ぜひ大勢の日本人客をお迎えしたい」と力強く訴えた。