ブランド総合研究所は、「地域ブランド調査2023」の結果を明らかにした。これは、国内1000の市区町村および47都道府県の地域名称について、認知度や魅力度、イメージなど全89項目について質問し、各地域名称のイメージ形成や行動意向、評価などを調査したもの。
都道府県の魅力度ランキングでは、北海道が15年連続で1位。しかし、その点数は減少傾向で、特に「とても魅力的」と回答した20代の割合は2021年の68%、2022年の54.6%から2023年は49.9%に減少した。
市区町村の1位は3年連続で札幌市。ただ、北海道と同様に、その点数は年々低下している。
一方、市区町村で最も魅力度の点数が上昇したのは北海道の北広島市。前年の7.8点(474位)から12.9点(289位)と5.1点上昇した。北海道ボールパークFビレッジが開業したこともあり、地域の特性想起で「プロスポーツチームや選手」は6.4%から18.3%と11.9ポイントも上昇した。このほか、同市は観光意欲度も23.3%から27.4%に上昇している。
都道府県魅力度ランキングトップ10は以下の通り(前年順位)。
- 北海道 (1)
- 京都府 (2)
- 沖縄県 (3)
- 東京都 (4)
- 大阪府 (5)
- 福岡県 (7)
- 神奈川県 (6)
- 奈良県 (8)
- 石川県 (10)
- 長崎県 (9)
市区町村魅力度ランキングトップ10は以下の通り(前年順位)
- 札幌市 (1)
- 京都市 (2)
- 函館市 (3)
- 金沢市 (8)
- 鎌倉市 (7)
- 神戸市 (6)
- 横浜市 (4)
- 小樽市 (5)
- 那覇市 (9)
- 軽井沢町 (12)
大阪府、宮城県、愛知県は魅力度上げる
全体の魅力度の結果は、都道府県の平均が27.2点で前年から0.5点、市区町村の平均が10.9点で前年から0.3点それぞれ低下。魅力度だけでなく、主要な調査項目の平均点は、都道府県、市区町村ともに前年度と比較して低下する傾向が見られた。
そのなかで、大阪府は、大阪万博の影響などで点数も上昇傾向にあり、魅力度の順位は前年と同じ5位だが、2015年の9位から上昇している。
トップ10には入らなかったものの、宮城県は食のイメージや観光意欲度が上昇。観光意欲度は過去最高の10位になり、魅力度の順位は前年の15位から過去最高の11位になった。
また、愛知県は、昨年11月にオープンしたジブリパークの影響、中部居住者と30~40代からの評価が急上昇していることから、魅力度の順位は前年の20位から16位に上がった。
地域のブランディングの取り組みは、時代によって変化。2009年頃から各地で地域ブランドへの取り組みが広まり、2011年以降、東日本大震災を契機に、食や商品の購入による被災地支援などが広がった。さらに、2015年頃からは若い世代への移住意欲向上に応える取り組みが展開。コロナ禍ではリモートワークや地方移住への意欲高まった。
観光意欲度、7県が順位上昇
観光意欲度ランキングを見ると、都道府県の1位は北海道。沖縄県(2位)、石川県(9位)、宮城県(10位)、熊本県(12位)、長野県(14位)、富山県(19位)、山梨県(20位)などが前年から順位を上げた。
市区町村のトップは札幌市。トップ20のうち、北海道が4市(札幌市、函館市、小樽市、富良野市)、沖縄県も4市(石垣市、那覇市、沖縄市、宮古島市)がランクインした。
「泊まりたい宿泊施設がある」でトップとなったのは、都道府県が北海道、市区町村が京都市。市区町村では、別府市(2位)、熱海市(3位)、由布市(4位)、草津町(5位)、下呂市(6位)、箱根町(8位)の温泉地がトップ10入りした。
このほか、観光意欲度に影響が強い地域資源についても調査。最も高かったのは「地域内の交通が便利」となった。以下、「魅力的な温泉やレジャー施設・公園などがある」「魅力的な街並みや歴史建造物がある」「海・山・川・湖などの自然が豊か」が続く。「食事がおいしい」は6番目だった。