国際航空運送協会 (IATA) は、世界の航空会社の2024年の収益予測を発表した。2023年の純利益は233億ドル(約3.4兆円)の見込み。2024年はそれをわずかに上まる257億ドル(約3.7兆円)に増加すると予想した。
2024年の世界の総旅客数は、2019年の45億人を越えて過去最多の約47億人、運航便数も2019年の3890万便を上回る4010万便になると見込み、総収益は前年比7.6%増の9640億ドル(約140兆円)と過去最高となると予想している。
旅客収入は前年比12%増の7170億ドル(約104兆円)。有償旅客キロ (RPK) の伸びは前年比9.8%になると予想した。また、搭乗率については、需給状況が引き続き逼迫することから、2023年の82%から82.6%となり、2019年とほぼ同水準になるとしている。
2024年の全体的な収益の伸び率(7.6%)は、費用の伸び率(6.9%)を上回り、収益性が強化されると予想。 営業利益は前年比21.1%増の493億ドル(約7.2兆円)を見込んいる。
IATAが11月に実施した旅客調査では、調査対象の3分の1が、パンデミック前よりも旅行に行っていると回答。約49%は旅行の習慣がパンデミック前と似ていると回答した。また、今後については、44%が今後12か月間で過去12か月間よりも多くの旅行をすると回答。旅行の回数が減ると答えたのはわずか7%だった。
地域別に見ると、2024年のアジア太平洋の純利益は11億ドル(約1600億円)と予想。需要(RPK)は依然として2019年比1.4%とパンデミック前を下回り、供給も同1.4%減と予想した。
北米の純利益は144億ドル(約2.1兆円)、欧州は79億ドル(約1.1兆円)、中東は31億ドル(約4500億円)となるものの、アフリカは4億ドル(約580億円)、南米も4億ドルの赤字になるとしている。需要と供給については、各地域とも2019年実績を上回ると予想している。
※ドル円換算は1ドル145円でトラベルボイス編集部が算出