日本航空(JL)は、2013年度3月期第3四半期連結業績(2013年4月1日〜12月31日)を発表した。それによると、グループの営業収益は、国際線および国内線の増収により、前年同期比5.1%増の9899億円となった。一方、営業費用は、供給の増加と円安によって燃油費をはじめとした各種費用が増加したことから、同8.7%増の8524億円となった。この結果、営業利益は、同13.1%減の1374億円、経常利益は同14.9%減の1312億円、四半期純利益は同12.2%減の1235億円となり、増収減益という結果になった。
国際線では、業務需要が堅調に推移し、欧州や東南アジアなどで旅客が増加したほか、円安により海外発旅客の単価が向上したこともあり、旅客収入は同7.5%増の3313億円。有効座席キロ、有償旅客キロとも同4.4%増加し、座席利用率は76.2%となった。JALでは、「SKY SUITE 777」や「SKY SUITE 767」の導入を拡大したことで、導入路線の利用率と単価が向上したと説明している。
国内線では、有効座席キロが同2.6%増となった一方、有償旅客キロの伸び率はそれを上回る同2.9%増となり、座席利用率は63.7%となった。JALは、団体旅客数の増加が個人旅客数の増加に比べて高かったことや競争激化による影響によって単価は下落したものの、増便・運航機材の効率的な配置によって、旅客数が増加したと説明。また、山陰方面路線が好調に推移したほか、「特便21」の設定や「先得割引」設定便を拡充したことも功を奏し、国内線旅客収入は同0.4%増の3749億円となった。
連結財政状態については、有利子負債は前年度末と比較して、リース債務及び長期借入金の返済が進み、有利子負債残高は前年度末から319億円減少し、1,282億円となった。自己資本比率は、四半期純利益の計上により4.8ポイント増加の51.2%。日本航空は、年度末における自己資本比率50%の達成を目指していく考えだ。
また、日本航空は、通期連結業績予想について2013年10月31日発表時の予想を上方修正。通期連結営業費用は燃油市況の上昇に伴う燃油費の増加やその他費用の増加などにともない、前回発表予想額と比べて20億円の増加を予想するものの、営業収入は国際線の旅客需要が好調に推移していることから、前回発表予想額と比べて50億円増加の1兆2910億円に修正。通期連結営業利益も前回発表予想額と比べて30億円増加の1580億円、経常利益も30億円増加の1470億円を見込む。当期純利益については、営業利益30億円、特別利益など20億円、法人税など調整額150億円の計200億円増加の1480億円を見込んでいる。
▼2014年9月末日を基準日に株式分割
配当金の算出方法を変更、今期配当は147円に
一方、JALは今回から配当金計算の考え方を変更。これまで、株主への還元方針については配当性向を20%程度とし、連結当期純利益の20%程度を株主への配当に充てる意向としていたが、今期以降は連結当期純利益から法人税等調整額を除いた額の20%程度を配当に充てる方針へと変更する。これは、今期末決算で税効果会計に基づく法人税等調整額の多額の追加計上を予定しており、当期純利益の大幅な変動が見込まれるため。新しい配当金計算の考え方に則ると、今期の配当金予想額は1株当たり147円となる。
さらに、JALは個人投資家による投資をさらに促すために普通株式の株式分割を実施することを決めた。これにともない、発行済株式総数が現行定款に基づく普通株式の発行可能種類株式総数である3億5000万株を超過することになるため、発行可能株式数に関わる定款変更を行う(2014年6月の定時株主総会での承認可決が前提)。その後、2014年9月30日の基準日における最終の株主の所有普通株式1株につき2株の割合で分割を実施し、効力発生日は翌日の2014年10月1日とする。