イタリア・マルケ州からジャン・マリオ・スパッカ知事らデリゲーションが来日し、観光プレゼンテーションを開催した。マルケ州観光局ジェネラルマネージャーのライモンド・オルセッティ氏は、2014年のマーケティング方針を発表。州の魅力を6つのテーマ「穏やかな丘・古い集落」「文化・マルケの真髄」「メイド・イン・マルケ」「海(マルケ・イン・ブルー)」「公園とアクティブな自然」「精神性とメディテーション(瞑想)」に分け、プロモーションを推進する方針だ。クオリティの高い素材を提供するために各種サービスの整備を推進するほか、「オペレーターと協力してプロモーションに投資をかける。いろいろな形でサポートをしたい」と述べ、誘致への強い意欲を見せた。
マルケ州はイタリア半島の“ふくらはぎ”のあたりに位置し、西はトスカーナ州とウンブリア州に接する。内陸部のアペニン山脈からアドリア海へ続く穏やかな起伏の丘陵地帯の景観と、その自然の恩恵を受けたライフスタイルの魅力に加え、海岸線とビーチ、そしてラファエロの出生地であり「もう一つのルネッサンスの地」といわれる世界遺産の街・ウルビーノや、ペーザロでのロッシーニ・オペラフェスティバルといった歴史や伝統、文化的な観光要素も豊富だ。
また、ファッションや農産物など製造業が盛んなことも特色で、ワインや加工食品、レストランの質が高く、著名ブランドの商品も作る職人の革製品や服飾品などを直売所やアウトレット店で購入できるショッピングも魅力。スパッカ知事は「マルケ州と日本は似ているところがある」と日本人が好む要素が多いことを示し、「たくさんの刺激があり、新しい発見がある州。この素晴らしさをぜひ、日本に伝えてほしい」とアピールした。
マルケ州観光局ジェネラルマネージャーのライモンド・オルセッティ氏は、マルケ州と海に面するアンコーナの地の利を生かし、イタリア各都市はもちろん、クロアチアやモンテネグロ、ギリシャなどアドリア海沿いの国々との周遊旅行の可能性も提示。このほか、プロモーションではSNSにも力を入れ、昨年から専任のソーシャルメディアチームも配置。「イタリアの中で最もファンの多い州」を目指し、現在10のSNSで発信を開始している。
マルケ州出身で、以前はマルケ州観光局長を務めていたイタリア政府観光局(ENIT)日本・アジア・オセアニア支局長のリッカルド・ストラーノ氏は、イタリアへの日本人旅行者について、2013年は12~15%増の見込みで、14年も好調に推移していると説明。「マルケ州にも訪れて欲しい」と述べ、マルケ州が旅行業界やプレス向けの視察ツアーを計画していることも明かした。