エアアジアは、警察機関の国際組織であるインターポールのI-Checkitシステムを試験的に導入する。海外旅行の安全性強化に向けた継続的取り組みの一環で行うもので、乗客がチェックインする段階でI-Checkitを組み込むのは航空会社で初めてのこと。エアアジアの運航するすべての国際線で、乗客のパスポート番号を167カ国4000万人を超えるデータが蓄積されたインターポールのパスポート盗難・紛失管理(Stolen and Lost Travel Documents:SLTD)データベースと照合されることになる。試験的プロジェクトは2014年5月後半には開始する予定だ。
エアアジアによると、I-Checkitシステムの稼働で同社はSLTDデータベースに照会することになるが、データベースに直接アクセスすることはできない。パスポート番号、パスポートの種類、国コードのみがSLTDに照合されるため個人情報は送信されず、パスポートをスキャンしてからインターポールのデータベース照会にかかる時間は0.5秒もかからないという。
また、SLTDデータベースで乗客のパスポートが盗難や紛失など該当すると思われる情報が見つかった場合、並行してインターポールでも照合処理が進められ、パスポート情報を保有する国のインターポール国家中央事務局(NCB)とフランスのリヨンにあるインターポール事務総局に通報され、さらに検証が行われるという。
なお、現在、乗客のパスポートとインターポールのSLTDデータベースの照合を制度的に行っている国は10カ国に満たず、国際線の乗客全体の4割程度はインターポールのデータベースと照合されていない。