クラブツーリズム・スペースツアーズと宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこのほど、宇宙旅行の個人需要に関する市場調査を共同で実施した。クラブツーリズム・スペースツアーズによると、日本における将来の宇宙観光の消費者意識の把握と市場規模予測を目的に行なわれた詳細な調査はないという。
調査では宇宙旅行を「宇宙旅行全般」と「高度100キロまでの2時間程度の宇宙旅行(サブオービタル宇宙旅行)」に分けて設問を設定。「宇宙旅行に行きたい」の回答は、宇宙旅行全般が57.8%、サブオービタルが55.8%で5割を超えた。年代別では、宇宙旅行全般は30代(71.9%)、サブオービタルは20代(67.1%)が最も多く、若い世代の方が高い結果となった。
実施時期は「5年以内」との回答は、宇宙旅行全般が22.1%、サブオービタルで22.3%。「いつか」は双方とも6割~7割弱を占めており、宇宙旅行のイメージの自由表記では「夢」が最も多かった。サブオービタルについては具体的に2500万円の金額を前提に質問しており、「(無条件に)行きたい」は5.7%。「条件によっては行きたい」(50.1%)で選択されたのは安全性の確認(68.4%)に次いで、2500万円より安くなったら(63.4%)、金銭に余裕ができたら(55.3%)と金銭面の条件が続いた。
宇宙旅行への不安要素・行きたくない理由は「費用面の高さ」、「安全性の不安」、「体力面の不安」、「事前訓練の面倒」が4大要素で、費用面については宇宙旅行の否定派、肯定派双方とも7割前後で最もネックになっている。宇宙旅行の価格の印象度を折れ線グラフで示したところ、宇宙旅行全般およびサブオービタルともに「高いと感じる」「安いと感じる」がクロスした価格帯は約600万円程度であった。
▼超高速2地点輸送との関連性
調査では合わせて超高速2地点間輸送システムについてもアンケートをしており、「利用したい」の肯定派は69.4%。特に20代~40代が多く、20代が80%で最大となった。高年齢層は低くなり、70代では46.9%と最小になっている。費用面では300万円未満が前年代で7割を超えた。特に30代、60代、70代では300万円以上の選択が1割前後と少なかった。
さらに、超高速2地点輸送システムの肯定派が示した「今後してみたい旅」では、「世界中の国々を巡る」「世界中の世界遺産を巡る」が6割以上。「ぜひ利用してみたい」に限ると、宇宙旅行が28.8%と比率が上がった。超高速2地点輸送システムの否定派は「日本中を巡る」が最多で、「まったく利用したくない」に限ると8割が支持する結果となった。
調査は2013年11月~2014年3月まで、クラブツーリズムの全国顧客から1700名を無作為抽出し、郵送で実施。回収数は541件。
(トラベルボイス編集部)