トリップアドバイザーが世界の旅行者と宿泊事業者を対象に実施した旅行動向調査「トリップバロメーター」で、2015年の年間旅行予算について41%が増額、23%が減額すると回答した。そのうち日本人は32%が増額意向を示し、減額予定の23%を上回った。(調査対象は世界7エリア32か国地域の旅行者3万4016名、宿泊事業者1万261名で、そのうち日本人は旅行者が2001名、宿泊事業者が168名。)
年間旅行予算額を平均すると、日本人は5700米ドル(67万6200円)でアジア11位。アジア1位は中国の59米ドル(69万6200円)だ。全世界の1位はスイスで1万2100米ドル(142万7800円)とアジア各国の予算の倍以上。次いで、オーストラリア(1万1700米ドル、138万600円)、ニュージーランド(9500米ドル、112万1000円)と続き、上位9位は欧米豪州で占められた。
旅行者の年間予算増加にあわせ、世界の宿泊業界も収益確保を楽観視する傾向が強まっている。今後1年間の収益について、「楽観視」と回答した宿泊施設は2013年の66%から2015年は75%に拡大した。ただし日本では32%にとどまっており、「楽観的でも悲観的でもない」が46%と多数。「悲観的」も21%あった。
また、日本の宿泊施設は43%が2015年に客室料金の値上げをすると回答。各種投資を増加する予定で、従業員への教育は2014年より11ポイント高い40%の施設が実施すると回答。採用投資も6ポイント増の32%、大規模改装も19%が予定していると回答した。
一方、世界の宿泊施設では、オンライン上のクチコミ対応や管理の施設増加が顕著。60%が増額と回答し、4社に1社が大幅に増額する予定だ。日本は世界よりは低調で増額予定は54%、大幅な増額は14%にとどまった。ただし、「自社の将来にとって最も大切な要素」として、88%の施設が「オンライン上のクチコミ」と認識している。
調査は2015年1月16日~2月2日までオンラインで実施した。
トリップアドバイザー「トリップバロメーター」
http://www.tripadvisor.jp/TripAdvisorInsights/TripBarometer-JP#tab=0