オーストラリア政府観光局(TA)は都内で旅行会社向け商談会「ウォークアバウト・ジャパン2015」を開催し、アンドリュー・ライリー日本・韓国局長は、会場を訪れた日本旅行業協会(JATA)の田川博己会長ともに記者会見をおこなった。
TAのライリー局長は、「日本の海外渡航者数は今年1月~6月期で全体では前年比4.9%減と落ち込んでいるが、オーストラリアの下げ幅は1.8%減と小幅にとどまっている」と健闘していることを示した。またカンタス航空の8月の羽田/シドニー線、成田/ブリスベン線が就航して座席が増えたのに加え、12月にはANAが就航するため、「来年1月からは二ケタ増が続く」と期待を示した。
そんな期待感の高まる中で開催された商談会は4年ぶり。オーストラリアからは47社54名が来日し、日本の271社489名に商談会が繰り広げられた。ライリー局長は、旅行会社からの反応も「上向きになる期待感がある」と手応えを紹介した。
一方、JATAの田川会長は、日本人の海外旅行が50週年を迎え、節目を迎えていると指摘し、これからは海外旅行に行く「意味」が必要になり、それにどう応えていくかが重要とした。
日本人旅行者を増やしていくには、これまでの市場のニーズを見定めて展開する「マーケット・ドリブン」の動き方ではなく、黎明期の海外旅行がそうだったように、プロダクト(旅行素材や造成した旅行商品)の立場から発信して提案していく「プロダクト・ドリブン」の動きが必要であるという考え方を示した。
またオーストラリアについては、ANAの羽田/シドニー線の就航は地方からの集客に意味があるとして、「最低でも50万人になってもいいのではないか」(田川会長)と期待を寄せた。
TA、JATAともにオーストラリア隆盛のカギを握る要素として、「体験」(エクスペリエンス)を挙げた。JATA田川会長は「今後は例えばアクティブシニア向けには10泊や15泊といった商品といった今までにない商品を戦略的に打ち出していくことも重要」と一例を挙げ、プロダクト・ドリブンの商品造成の考え方を示した。