ANA決算、好調な訪日とビジネス需要で国際線旅客収入10%増 -2015年度第2四半期

ANAホールディングスは、平成28年3月期第2四半期(4月〜9月)の決算を発表した。それによると、売上高は前年比6.6%増の9,112億円、営業費用も事業規模の拡大に合わせて同3.5%増の8,244億円となったものの、コスト構造改革を計画通りに進めたことにより、営業利益は同49.8%増の867億円に、経常利益も同72.6%増の829億円にそれぞれ大幅に増加した。また、親会社株主に帰属する四半期純利益も同50.9%増の539億円に増加し、増収増益を達成した。

セグメント別では、航空事業の売上高は前年の7,422億円から7,880億円に増加。営業損益でも同518億円から811億円に増加した。

国内線旅客では、北陸新幹線の開業にともなう競争環境の変化や7月以降に発生した台風の影響などにより、旅客数は前年同期比0.6%減の2,155万1,000人となったものの、需要動向に応じた各種運賃を柔軟に設定したことなどによって、旅客収入は同2.1%増の3,532億円となった。供給を示す座席キロは同1.1%減と前年を下回ったものの、需要を示す旅客キロは同0.7%増となり、利用率も前年を1.2ポイント上回る64.1%となった。

国際線旅客では、好調なビジネス需要と訪日需要に支えられ、旅客数は同13.1%増の406万2,000人、旅客収入も同10.1%増の2,596億円となった。座席キロ(同6.5%増)、旅客キロ(同10.9%増)とも前年を上回り、利用率も前年を3.0ポイント上回る75.9%と高い数字を残した。

バニラ・エア(JW)の収入を含む、その他の収入は同19.9%増の961億円。JWの旅客数は同57.2%増の89万6,000人、利用率は前年を12ポイント上回る86.7%となった。

このほか、旅行事業の売上高は同0.6%減の884億円と前年割れとなったものの、営業利益は同1.3%増の28億円となり、減収増益という結果になった。国内旅行では、主力商品の「ANAスカイホリデー」が北海道・沖縄方面を中心に好調に推移したことなどによって、売上高は前年同期比増。一方、海外旅行では、主力商品の「ANAハローツアー」が円安や欧州におけるテロなどの影響を受け、売上高は前年同期を下回った。旺盛な訪日旅行需要を着実に取り込んだため、訪日旅行の取扱高は前年同期を上回った。

平成28年3月期の連結業績については、4月30日に発表した見通しに変更なし。売上高1兆7900億円、営業利益1150億円、経常利益900億円、親会社株主に帰属する当期純利益520億円を予想する。

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