石川・加賀市「旧・加賀観光ホテル」を運営する相互開発事業が2016年3月15日、大阪地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は約50億円だった。
「加賀観光ホテル」の前身となる温泉旅館「のみや」は1935年(昭和10年)に小松市粟津温泉で創業され、その後加賀市片津山温泉に同ホテルを設立。2006年には旧・矢田屋梅光閣を承継するなどの展開をおこなってきた。
ピークの1993年(平成5年)3月期には売上高約22億5000万円を計上していたが、その後価格競争や企業のコスト削減などを背景に客単価が低下。2014年には売上額が約9億6300万円まで落ち込んだほか、投資による負債幅が広がり、27億円以上におよぶ債務超過に陥った。
その後、2014年に相互開発事業に商号を変更し、新会社設立後に吸収分割をおこなって事業を移管。2015年3月31日には解散していた。
なお、新会社として運営中の「加賀観光ホテル」は、北陸新幹線や海外からの団体客増加といった好要因を背景に、順調に持続しているという。