経済産業省は先ごろ、「国内の観光リゾート地等における空間構成及びサービス業集積状況調査」の結果を発表した。地域の観光消費傾向について、サービス業の店舗などの「集積度」や街全体の「見た目の美しさ」に着目した分析が特徴だ。
その結果、観光リゾート地では店舗や飲食店の集積を図るだけでなく、見た目の美しさや「街歩き・外食」の楽しさについてもバランスよく演出していくことが必要なことが分かった。また、特に地方の温泉地では、「見た目の美しさ」を確保したうえで、徐々に店舗の集積度を高めていくことが効果的であることが明らかになっている。
今回の調査は、日本59地区の観光リゾート地を対象に、宿泊施設やその周辺の飲食・小売業の現状調査に加え、各地域をアウトドアや文化体験といった娯楽サービスの種類に応じて分類。さらに観光客による消費単価が高い地域と低い地域それぞれ10エリアを選定し、アンケートを介した意向調査も踏まえ、店舗の集積度や地域の性質との相関を分析したもの。
報告書ではこの結果にもとづいて、観光地の性質を「想定される主要顧客層や消費スタイルなどの観点からの分類(高額サービス対応型、生活文化体験サービス対応型)」と「コト消費空間の形成主体・主体間連携の観点からの分類(「宿泊サービス集積型」「域内消費サービス集積型」「広域サービス連携集積型」)」にパターン化。調査対象となった59地区を再マッピングした。
その中では、たとえば観光地や施設全体の「見た目の美しさ」は、再訪問意向や消費に大きな影響を与えていることが判明。消費額に与える影響は比較的低い結果となった。一方で、店舗や飲食店の集積度は「再訪問意向」のほか外食による飲食代の増加につながる傾向もみらるといった特徴が抽出されている。
報告書全文は以下から入手できる。