日本旅行業協会(JATA)の旅行市場動向調査(2016年9月期)で、2016年7月~9月期の国内旅行の7月~9月期の業況感は3ポイント増の-10となった。3か月前は-3を見込んでいたが、そこまでの好転には至らなかった。3カ月後(10月~12月)の見通しは10ポイント増の「0」。6か月後には「-9」を見込む。
海外旅行の今季の業況感は5ポイント増の-35。3カ月後の見通しは-31、6カ月後には-29を見込むとしている。
国内:インハウス系とリテーラー1が2ケタ増、九州が35pt増で回復傾向に
国内旅行の業態別では、インハウスは前期から8ポイント増の16、リテーラー1(総合、ホールセラー以外で取扱30億円以上の旅行会社)は13ポイント増の-21と大きく上昇。前回から対象となったネット系旅行会社(-44)は11ポイント減。
国内方面別では北海道(5)が±0で横ばい、京阪神(3)は6ポイント減。東京(3)は7ポイント増で転じたほか、九州(-36)は前回より35ポイント増となり回復傾向がみられた。一方で、北陸新幹線効果はほぼ一段落とみられ、5ポイント減の-9となっている。
海外:OTAとインハウス系旅行会社が2桁増、オセアニアは11pt増に
海外旅行の業態別では、インハウス(-25)が15ポイント増、ネット系旅行会社(-33)が17ポイント増、海外旅行ホールセラー(-44)は4ポイント増といずれも上昇。一方で海外旅行系旅行会社(-27)は21ポイント下落した。
海外方面別ではハワイ(0)が1ポイント増となったほか、アジア(-2)が6ポイント増、韓国(-46)が8ポイント増、オセアニア(-13)が11ポイント増。ヨーロッパ(-71)は7ポイント下落した。 顧客層では、商用・視察は低下したものの上位を維持。シニアは横ばいとなった。
この調査は、JATA会員各社の経営者などを対象にインターネットで実施。会員532社のうち回答があったのは309社。海外旅行の有効回答数は272社、国内旅行の有効回答数は215社。調査期間は2016年8月8日~8月29日まで。
同調査ではJATAによる質問に対して会員各社から「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」の4種類評価を入手。その後「良い」割合から「悪い」割合を差し引き、「DI(Diffusion Index)」という景気動向指数に加工して発表している。そのため、数値は「すべて良い(100)」から「すべて悪い(-100)」までの範囲となる。
なお、2016年12月期の調査より、新たに「訪日旅行系旅行会社」を業態に追加。インバウンド市場動向についても発表をおこなう予定。