サービス連合が発表した2017年春季生活闘争の中間報告によると、2017年3月22日時点までに実質的な賃金改善で合意した組合数は13組合、うち9組合が満額回答を引き出した。
現在の状況は、加盟組合全175組合のうち97組合が要求書を提出。このうち、71組合が実質的な賃金改善、66組合が最低保障賃金、83組合が一時金の要求を行なった。これらは前年と同様の水準で、特に実質的な賃金改善に対する要求についてはこの4年間継続していることから、「実質的な賃金改善を要求することが定着化した」(副事務局長・千葉崇氏)と見ている。
このほか、1日あたりの所定内労働時間短縮などの総実労働時間の削減や、2018年に本格化する有期契約者の無期転換権制度の確立、子どもの看護休暇、65歳までの就労制度、勤務間インターバル規制の導入などの要求もあった。特に、人員不測の改称や適切な人員配置など、日常の業務改善で必要な観点からでてきた要求も展開された。
これに対し、所定労働時間の短縮、勤務間インターバル時間の拡大について、回答を引き出した組合もあった。また、有休休暇の完全取得に向け、将来を見据えて会社と計画を策定することを確認した組合もあったという。
会長の後藤常康氏は「今年は人財にどれだけ投資ができるのか」を訴えた交渉が展開され、こういう結果が出ている。成功した組合に敬意を表するとともに、この流れが産業全体に良い影響を与えられる春闘になれば」と語った。
今年は企業側の慎重な姿勢を受け、組合の要求立ても丁寧に行なわれた結果、2017年2月末までに要求書を出した組合数は、昨年の31組合に対し、24組合と縮小。実質的な交渉期間は3月13日~17日までだが、最終的には3月末がめどとなっている。次の報告は4月上旬に行なう予定だ。