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大日本印刷とJTBは、先ごろ実施した「京都まちぐるみコンシェルジュサービス実証」の結果を発表した。タビマエ・タビナカでのサービス利用を目的に自分のパーソナルデータを第三者に登録・預託・信託することについて、その許容度や意識などを調べたもの。
実証実験の結果、日常生活場面では自分の行動情報の提供を「許容できる」「どちらかと言えば許容できる」との回答者が23.2%にとどまるのに対し、旅先では67.1%に拡大。観光分野では、パーソナルデータ利活用の許容度が高い点が明らかになった。
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今回のプロジェクトで使用されたのは、個人の情報を管理する「パーソナルデータストア(PDS)」に連携する情報信託機能が利用できる観光アプリ「京都まちぐるみコンシェルジュサービス」。信託機能では、情報提供者の指示や事前に指定した条件に基づいて、本人に代わって利用したいサービス事業者にパーソナル情報を開示。それによって、個々のユーザーに会った「おすすめ観光」や観光タクシーオファー情報が提供され、旅行中も利用者のニーズを踏まえた旅行ガイドなどが提供される仕組みとなっている。
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また、アプリ利用にあたってポイント付与などの利便性を提示した場合、84.1%のユーザーが「(情報信託機能を)利用したい・どちらかといえば利用したい」と回答。メリットを開示しない場合(36.6%)と比較して大きな差が開き、ユーザーにとってのメリットがサービス利用の動機につながる傾向がみられた。
なお、PDS利用に対する意識では、ユーザーの80%が「情報信託機能を希望したい・どちらかと言えば利用したい」と回答。同じく8割のユーザーが、第三者に提供したデータが意図しない形で流通しないように管理する機能に加え、流通後のデータを追跡できる機能が重要と考えていることも明らかになった。
この取り組みは、総務省の「情報信託機能の社会実装に向けた調査研究」を通じておこなわれたもの。調査期間は、2017年12月から2108年2月まで。調査対象は、DNPグループの電子書店サービス「honto」会員の女性モニター(20代~50代)100名。サービス事業者としてリーフ・パブリケーションズ、彌榮自動車、データホルダーとしてhonto運営のトゥ・ディファクトのほか、有識者が参加。