日本旅行業協会、2019年度の事業方針発表、国内旅行市場テーマの研究会も発足へ

日本旅行業協会(JATA)は2019年4月11日、2019年度の事業方針を発表した。「2020年度までに海外2000万人、訪日4000万人」を目標に展開する活動内容について、とりまとめたもの。合わせて、「国内旅行マーケットにおける新たな役割研究会」の発足を決定した。

まず、2019年度は事業領域活動として、(1)海外旅行者2000万人に向けた需要喚起施策推進と旅行会社の取扱拡大、(2)国内旅行市場の活性化に向けた施策と連携、(3)訪日旅行者4000万人への施策推進の3点を提示。

海外旅行に関する需要喚起では、日中・日韓や主要国・地域でのプロモーションや観光交流、外国政策などに協力する方針。国内旅行については、国立公園や日本遺産活用、観光を通じた被災地支援のほか、宿泊旅行拡大活動などを展開する。インバウンド対応としては、旅行サービス手配行登録制度や民泊新法(住宅宿泊事業法)、運送などの各種シェアリングエコノミー制度に対応。安心安全に向けた体制強化や欧米豪市場の強化、ツアーオペレーター品質認証制度の拡充などを予定する。

一方、経営環境整備活動としては、デジタル社会における旅行業の在り方検討や働き方・休み方改革、大型倒産防止策に対応する方針を提示。人材獲得・育成面では、各種研修やエリアスペシャリスト制度などに加え、業界研究講座、大学連携講座、ツアーグランプリを通じた企画力向上などを目指す。さらに「安心安全の旅の実現」では、旅行業法の周知・遵守活動に加え、観光庁など関係機関・団体との連携も強化する。

また、新たに「国内旅行マーケットにおける新たな役割研究会」を発足することを決定している。ここでは、OTAの台頭やITプラットフォーマーなど新規参入事業者のほか、デジタル活用による代替品の脅威など、主に国内旅行を取り巻く環境を整理。旅行事業における新たな旅行会社の役割像や需要創造の可能性などを研究する。

研究会の座長には、日本旅行取締役常務執行役員の大槻厚氏が就任。モデレーターはJTB総合研究所 山下真輝氏が担当する。そのほかのメンバーは以下のとおり。

「国内旅行マーケットにおける新たな役割研究会」メンバー

  • 日本旅行 取締役常務執行役員 営業企画本部副本部長 大槻厚氏(座長)
  • JTB 個人事業本部 国内仕入商品事業部 執行役員 平野利晃氏
  • ANAセールス 執行役員 旅行事業本部副本部長 大木淳雄氏
  • KNT-CTホールディングス 国内旅行部 課長 伊藤かおる氏
  • ジャルパック 取締役国内企画商品事業本部長 谷吉一宏氏
  • JTB 個人事業本部 事業統括部 担当マネージャー 加藤大祐氏
  • 東武トップツアーズ 企画仕入本部 推進チーム 国内旅行部長 瀬川靖氏
  • 農協観光 旅行事業部長 髙橋 邦彦氏
  • 阪急交通社 東日本営業本部メディア1部 国内営業戦略室長 勝島亮介氏
  • びゅうトラベルサービス 地域・営業戦略室長 西剛氏
  • 沖縄ツーリスト 執行役員 観光部部長 石坂彰啓氏
  • ジャパングレーライン 取締役 浅野倫克氏
  •  ITB 代表取締役社長 周文氏
  • モデレーター:JTB総合研究所 主席研究員 山下真輝氏

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