JALの新LCC「ZIPAIR(ジップエア)」が機体と制服のデザイン発表、西田社長「他社と違うことを」、スニーカー採用や20アイテム組合せなど

2020年の就航を目指すJAL傘下のLCC「ZIPAIR Tokyo(ジップエア)」は、2019年4月11日、都内で機体と乗務員の制服デザインを発表した。発表会の冒頭では、ジップエア代表取締役社長の西田真吾氏が「2020年の就航を目指すことを発表して以来、大きな反響をいただいている」と挨拶。テクノロジーの進化などもあり、航空会社に求められることも変化して中、西田氏は「ジップエアはLCCでは最後発なので、他社と異なることをして勝ち抜いていく」との決意をあらためて表明した。

航空業界を取り巻く環境が大きく変化しているなか、ジップエアが就航を予定しているのは、成田/ソウル線と成田/バンコク線という激戦の2路線。西田氏は就航が東京オリンピック・パラリンピック開催年であることに触れ、「オリンピックを契機にインバウンドのお客様に対し、規模ではなくスタイルで存在感をアピールしたい」と意気込みを語った。

スニーカーの採用や着回しなど既成概念にとらわれない制服

運航乗務員と客室乗務員の制服のコンセプトは「着回し」。

乗務員はその日の業務内容や天候、気分などに合わせ、計20アイテムを自由に組み合わせて業務に従事する。組み合わせのパターンは多いが、一見してジップエアのスタッフであることがわかるようにした。また、素材やポケット内側の仕様など細部にまでこだわり、デザイン性と機能性を両立。ジップエアの客室乗務員は地上での勤務も想定されていることから、「どちらの業務にも対応できるデザイン」(西田氏)だという。

シューズには動きやすさと疲労の軽減などに配慮してスニーカーを採用。特に「キーアイテム」と位置付けられており、乗務員は機内では黒、地上での業務の際には白のスニーカーを履くという。西田氏は「1度利用したお客様が、次に搭乗したときに異なる乗務員の姿を見ることもあり得る。何度乗っても、楽しく発見のあるフライトにしたい」などと話した。

発表会には、制服のデザインに携わったSIX inc.のアートディレクター・矢後直規氏とファッションデザイナーの堀内太郎氏も出席。トークショーでは、実際に空港に行って客室乗務員や地上職員が仕事をする様子をリサーチし、「仕事のパフォーマンスを上げることと、ブランドとして憧れの対象になるようなデザインであることの2点を特に重視した」(矢後氏)など、制服をデザインしていくプロセスでの秘話を語った。

ブランド名を体現する機体デザイン、機内の仕様などは今冬に発表へ

機体デザインは、コーポレートカラーのグレーで塗装した垂直尾翼にシンボルマークの「Z」の文字を配した。また、機体側面にはグリーンのラインを入れることで、ブランド名の「ZIP」に込められた矢が「ビュッ(=ZIP)」と飛ぶ様子を表現し、目的地に向かって一直線に飛ぶ姿をイメージした。

機材は日本航空が所有する2機のB787をリースして運用する。座席数やビジネスクラスに相当する上級クラスの有無といった機内の仕様は、現時点では未定。西田社長は、「日本航空のB787は最少座席数が185席程度であり、その約1.5倍の座席数になるのではないか。今冬までには正式に発表したい」と話すにとどめた。

機体イメージ(報道資料より)

取材・記事 高原暢彦

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