電通の全社横断プロジェクト「チーム・クールジャパン」はこのほど、「ジャパンブランド調査2019」を実施した。それによると、調査対象の20か国・地域全体で4割以上が日本を「行きたい旅行先」に選択して1位になった。次いで人気がある国として、3割以上が選択したのは米国、豪州、フランス、英国、カナダ、スペインだった。
訪日意向のトップは香港、欧州も上昇傾向に
今後の訪日意向をみると、昨年と比較して1.4ポイント増の77.4%が「1年以内に渡航予定」または「いつか行きたい」と回答。地域別では香港(98.3%)の訪日意向が最も高く、次いでインドネシア(95.3%)、フィリピン(93.3%)、ベトナム(92.3%)、台湾(91.0%)で、アジア諸国が上位を占めた。一方で欧州圏の意向の高まりがみられ、イタリアが10.0ポイント増の81.7%となったほか、ドイツは7.7ポイント増、フランスは5.4ポイント増、イギリスは4.3ポイント増、ロシアは5.3ポイント増となっている。
訪日旅行の阻害要因は「費用」「言葉」「距離」
日本への旅行に関する阻害要因を調べたところ、調査対象全体では「旅行費用が高い」(47.7%)、「言葉が不安」(31.5%)、「距離が遠い・行くのに時間がかかる」(28.7%)が上位に。ただし東アジアでは傾向が異なり、「震災(放射能など)の影響が心配」(36.8%)、「地震や豪雨など、自然災害が起きるのが心配」(33.5%)、「旅行費用が高い」(29.5%)の順となった。
なお、2025年に開催される大阪万博については、すでに49.5%が認知しており「見に行く予定・見に行きたい」人は40.3%に至ることが明らかになった。
この調査は、同社が世界20か国・地域を対象に、日本に対する好感度(親日度)や訪日旅行意向、日本についての興味・関心・イメージなどを広く調査するもの。企業が訪日客対応をおこなうための情報提供として毎年継続的に実施している。
2019年の調査対象地域は中国(グループ A=北京、上海、広州、グループ B=深圳、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ (北東部・中西部・南部・西部)、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、トルコ。