アメリカのデジタルマーケティング調査会社eMarketerによると、2019年の旅行産業のデジタル広告費は前年比21.4%増の108億6000万米ドル(約1兆1720億円)になる見込みだ。2020年は同19.3%増の130億米ドル(約1兆4016億円)に達すると予測されている。
旅行産業は、顧客へのリーチを強化するために特に検索広告に注力。eMarketerでは、2019年の検索への広告費は58億4000万米ドル(約6296億円)になると予測している。これは、アメリカの検索広告費全体の10.4%のシェアを占め、全業種のなかで4番目に多い規模になる。
また、旅行産業はモバイルへの広告出稿を増やしており、2019年のモバイル広告費は同25.1%増の72億2000万米ドル(約7784億円)。旅行関連の全デジタル広告のうち70.1%を占めると見込まれている。
動画広告の出稿が増加しているのも特徴的な傾向。2019年は同25.7%増の26億2000万米ドル(約2825億円)に達すると予想されている。動画広告はソーシャルメディアでの活用が増加しており、特にフェイスブックとインスタグラムが好まれているという。
旅行業界向けに広告プラットフォームを提供しているソジャーンが昨年11月に実施した調査によると、世界のトラベルマーケターの大部分がフェイスブックとインスタグラムへの出稿を増やすと回答。特に、クルーズ会社と航空会社をクライアントに持つマーケターでは60%がフェイスブックとインスタグラムへの広告費を増やすと応えた。