凸版印刷は2019年11月3日、観光客向けの遠隔観光の実証実験を実施した。これまで遠隔観光では、VR(ヴァーチャルリアリティ)を用いることが多かったが、今回は同社が今年4月から企業向けにサービスを開始した「IoA仮想テレポーテーション」を活用。IoAとはInternet of Ability(人の能力がインターネットに繋がること)で、遠隔体験とリアル体験を組み合わせ、疑似的な観光体験提供の効果検証を行なった。
実証実験は、11月2日と3日に実施された「JAPAN HARVEST 2019 丸の内農園」の一環として実施。凸版印刷の「NIPPON GALLERY TABIO MARUNOUCHI」と熊本県水俣市の「福田農場」をIoA仮装テレポーテーション技術で4Kの高精細映像配信で繋ぎ、丸の内にいる観光客が遠隔で福田農場の農園ガイドを体験した。首からかけるウェアラブルデバイス「IoAネック」を活用し、現地の人とリアルタイムに会話しながらの遠隔ミカン狩り体験も行なった。
今後、凸版印刷では今回の食文化のほかにも、伝統工芸や美術・工芸、文化財、自然などの様々なテーマで、デジタルテクノロジーを活用した遠隔観光体験を提供する方針。ECと連動したプロモーションや、訪日外国人を対象にしたデジタル観光体験のパッケージサービスの提供も行なうとしている。