日本旅行業協会(JATA)の田川博己会長が、2020年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。
田川会長は、東京オリンピック、大阪万博が開催される2020年代を「交流新時代」とし、今年はその幕開けの年と表現。観光市場の成熟化や体験型への志向、デジタル技術の発達を踏まえた「新しい旅のカタチ」を旅行業界が積極的に提案することで、観光産業における「ツーリズムの新しいカタチ」の構築を牽引していく考え。
また、観光産業の社会的責任にも触れ、旅行業界としてSDGs(国連の掲げる持続可能な開発の目標)の達成に貢献することを表明。特に、自然災害からの復興や相互交流の促進による平和の実現を後押しすることで、来る「交流新時代」をリードしていく意志を示している。
発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。
2020年 年頭所感 -2020年は「交流新時代の幕開け」
あけましておめでとうございます。
2019年を振りかえりますと、海外旅行は現地で様々な出来事が起こったにも関らず、業界にとって長年の夢であった2000万人の大台達成のレベルまで大きく伸びました。これは、査証条件の緩和などによるインバウンドの伸長が、航空路線の拡大につながるという相乗効果がもたらした結果であり、双方向交流6000万人という次の高みを目指す環境がいよいよ整ってきたものと考えられます。
さて、昨年日本中を熱狂させたラグビーワールドカップによって、地方において国際交流の輪が大きく広がりました。また、昨年大阪で開催いたしましたツーリズムEXPOジャパンにおいても、世界100ヶ国の展示やパフォーマンスが人気を集め、15万人ものお客様に来場いただきました。さらに、今年の東京オリンピック・パラリンピックには200を超える国や地域から参加が予定されており、2025年には大阪・関西万博が開催されることから、2020年代は日本の「交流新時代」となるものと予測され、本年はその幕開けとなる年となります。
全世界の国際観光客数は14億人を突破し、観光市場は成熟化し、体験型への志向を強めるなど旅行の形態も変化を遂げています。さらにデジタルテクノロジーの発達により、情報収集、予約、決済など旅行の形態もよりパーソナルに、かつ、利便性も向上してきています。このような状況の下、「新しい旅のカタチ」を旅行業界が積極的に提案することにより、観光産業界における「ツーリズムの新しいカタチ」の構築を牽引して参ります。
今や観光産業は世界の雇用や経済の1割以上を占める規模となり、その社会的責任も大きくなっています。旅行業界としても、SDGs(国連の掲げる持続可能な開発の目標)の達成に対して貢献をしていく所存です。特に近年猛威を振るう自然災害からの復興への貢献。そして、相互交流を促進し、国際理解を深めることによる平和の実現の後押しをすることで、来る「交流新時代」をリードしていきたいと考えます。
本年も引き続きご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
一般社団法人日本旅行業協会
会長 田川博己