国際航空運送協会(IATA)は、運用の準備を進めているデジタル健康パスポート「IATAトラベルパス」について、各国政府の入国要件に従って、現在の検査結果に加えてワクチン接種の記録も登録できるようにすることを明らかにした。
IATAとしては、旅行者の検査やワクチン接種情報を大規模に電子処理できなければ、旅行再開を加速させることはできないとしている。紙によるワクチン接種証明もチェックイン時のオプションとなりうるものの、それはあくまでもバックアップとして位置づける。
また、IATAトラベルパスのほかにも、スイスの非営利組織「コモンズ・プロジェクト」が推進する「コモンパス」や航空会社が独自に開発するアプリがあるが、IATAでは、今後の課題として、長期的にデジタル健康パスポートを運用していくうえで、基準の共通化が必要になるとの認識を示している。
このほか、ワクチン接種を記録するデジタルパスの開発についてEUが議論を始めることについて、IATAでは、ワクチン接種が航空旅行の必須要件ではないとしたうえで、EUがワクチン接種を旅行の必要要件とする場合、EU全体で共通の基準を設ける必要性を訴えている。