※編集部注:本記事は、公開当時、HISが実施した記者会見での発言をもとに記事化したものです。
今後、発表者が事実関係の修正をおこなった場合は、発表者の修正に準じて対応しますので、当事者・関係者はトラベルボイス編集部までお申し出ください。(トラベルボイス編集部追記 2024年8月9日)
観光庁とGoToトラベル事務局は2021年12月28日、HIS子会社2社のGoToトラベル事業での不正受給に関し、現在までの調査状況と今後の対応を発表した。ジャパンホリデートラベルとJHATに対しては、給付金と地域共通クーポンのうち、不適切使用分の返還を請求。新GoToトラベルには、ミキ・ツーリストをあわせた3社を参加停止とする。観光庁と同事務局では刑事告訴も視野に入れ、捜査機関と連携しながら調査を進めていく方針だ。
また、子会社2社が不正に関わったエイチ・アイ・エス(HIS)に対しては同日午前中に、ガバナンスの欠如に対する厳重注意を実施。改善策の策定と、不正受給の全体像を解明するよう、調査継続も指示した。
これを受け、HISは、同日夕刻に開催した2021年10月期決算説明会で、観光庁の要請に応じ、子会社の管理監督、ガバナンスの改善策を年明けに提出できるように対応することを明かした。
子会社の不正受給の調査継続も「全力でおこない、観光庁に報告する」(取締役常務執行役員の織田正幸氏)。代表取締役社長兼会長の澤田秀雄氏は、厳重注意を謙虚に受け止め、改善する意向を示した。「今回の一番の問題はJHATとミキ・ツーリストだと思っている。HISは本当にこういうことはしていない。ただ、子会社がそういうこと(不正)をしたので、それに対して管理責任を感じており、申し訳ないと思っている」(澤田氏)とも述べた。
HISでは同日、同社の調査委員会からの報告に基づいた役員等の処分を発表。ミキ・ツーリスト代表取締役社長の檀原徹典氏は解任、ジャパンホリデートラベル代表取締役社長の吴煜康氏は取締役に降格とした。両氏とも所定の手続き後、速やかに実施する予定だ。
また、HISの経営トップの3役員も減俸処分とした。澤田氏は基本月額報酬の75%減額、取締役専務執行役員の中森達也氏と織田氏は、50%の減額で、対象期間は3氏とも2022年1月から3カ月。澤田氏は、「当社にとって大きな問題。それを謙虚に受け止めた」と処分の理由を説明した。
なお、観光庁では日本旅行業協会(JATA)などの旅行業及び宿泊業の6団体に対し、コンプライアンスの徹底を求め、2022年1月25日までに再発防止に向けた取組方策とスケジュールを報告するように要請。また、今回の不正受給の事案について、関係する団体会員に対する自主的な調査実施とその結果報告も求めた。