【年頭所感】日本海外ツアーオペレーター協会 大畑貴彦会長 ― 海外、訪日旅行の復活を、真のツーウェイ・ツーリズム実現へ

日本海外ツアーオペレーター協会会長の大畑貴彦氏が、2022年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

大畑氏は、新型コロナウイルスの発生から2年が経過した現在も、日本が国際往来再開への方向へ舵を切れない状況について懸念を表明。政府による将来の指針に基づき、ビジネスがステップバイステップで動き出すことに対する期待を述べている。また、今後インバウンドとアウトバウンドが動き出すタイミングに照準を合わせた日本の施策実現とともに、ツアーオペレーターへのサポートを求めた。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。


2022年 新年のご挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。新しい年を迎え、一言ご挨拶申し上げます。

まず、各国大使閣下、観光庁様、(一社)日本旅行業協会様、(一社)全国旅行業協会様ならびに旅行業界関係団体の皆様には、日頃からOTOA会員並びに当協会の活動に多大なご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、新型コロナウイルスの発生から2年が経過し、昨年の後半からようやく一部の国々では経済活動を正常に向かわせるためにデジタルワクチンパスポートやPCR検査などを活用し、隔離措置なしでの国際往来の再開に動き出しました。しかしながら我国日本ではその流れに乗り遅れ、グローバルスタンダードから大きく外れ、未だに国際往来再開への方向へ舵を切れない状況が続いています。先進諸国であったはずの日本は果たしてどの方向へ進もうとしているのか、他国と大きく違い国のロードマップも示されず、我々は何を羅針に進めば良いのかと思っている方々も多々いらっしゃることと推察します。

これは旅行業界だけの問題ではないはずです。先陣を切り一定の枠組みを作って国際往来を徐々に回復基調に乗せている国々から見れば、全くもって日本国は不思議な国に映っていることでしょう。不要不急の代表にされてしまった旅行業界は観光すること自体が悪のように位置付けられ、科学的根拠も示されないままビジネスを失い2年が経過しました。国民へ届く新型コロナウイルスの情報はメディアの偏向報道が溢れており、政府や社会的影響力のある人たちには今の日本の置かれている状況と進むべき方向性についてもっと多面的に考え本質を見誤らないよう理論立てて発信して欲しいものです。

元来日本人は内向的な国民性であるが故に将来の国際往来の指針を政府が指し示す必要があると思います。国際往来の再開に向けての課題を科学的に整理し、ステップバイステップでその指針の下、動き出して欲しいと心から願っています。

現在の政府の観光業界への施策は「Go To トラベル」が全てです。我々ツアーオペレーターは日本の海外旅行と訪日旅行の発展を支えてきました。コロナ禍でも我々の会員会社は誇りを持ち、この仕事を継続従事していく覚悟のもと、苦しい状況でも我慢をしている状況です。会員各社は真のツーウェイ・ツーリズムの実現に向け、もう少しの辛抱だと言い聞かせてきましたが、現実は我々ツアーオペレーターへのサポートは全くと言ってありません。我慢を強いるのであれば、それに対するサポートが必要です。

さもなくば我々が長い年月を掛け築いてきた海外旅行と訪日旅行の将来はありません。近い将来、インバウンドとアウトバウンドが動き出すタイミングに照準を合わせ、国内旅行での「Go To トラベル」同様の施策を勘案し、必ず実行に移して欲しいと切に願っています。

最後に、この新年のご挨拶文をご覧になった方々全員が「海外旅行の復活」と「訪日旅行の復活」を心から願っていると信じて止みません。

どうぞ本年も当協会並びに会員各社に対するご理解とご協力をお願いするとともに、皆様との「協働」を通じ、2022年を飛躍の年にしたいと思います。

皆様方の益々のご繁栄とご多幸を祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

2022年1月

一般社団法人日本海外ツアーオペレーター協会

会長 大畑貴彦

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