日本旅行業協会(JATA)会長の髙橋広行氏が、2022年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。
髙橋氏は、4年ぶりの東京開催となる「ツーリズムEXPOジャパン」が、国内旅行のみならず、海外旅行や訪日旅行が復活する起爆剤になると期待。新しい時代の観光の実現には、他業種や地域との「協調」「共創」がテーマになるとの考えも示した。新しい局面を迎えるなか、消費者のニーズを満たす商品を提供する旅行会社の真価が問われるとし、会員各社一丸となって、観光業界の再生を目指して取り組むとの意欲を述べている。
発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。
2022年 年頭所感 -観光業界の「再生」を目指して
2022年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は断続的な緊急事態宣言の発令を受け、県境を跨ぐ移動の自粛が呼びかけられたことなどから、本格的なマーケットの回復は見られず、また、国際交流再開に向けて企画したインバウンドの実証実験ツアーやハワイへの視察団も新たな変異株の影響で延期を余儀なくされるなど、一年を通して非常に厳しい状況が続きました。
新たに迎えた2022年は、地域観光事業支援の拡大やGoToトラベルの再開が予定されており、明るい兆しが見えてまいりました。そして、世界最大級の旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン」は4年ぶりに東京での開催が予定されており、国内旅行のみならず海外旅行・インバウンド復活の大きな起爆剤になることが期待されます。まさに本年は観光業界「再生」の年にしたいと考えております。
私たちはコロナ禍で大きな痛手を負うことになりましたが、一方で、新たな旅のあり方や旅行マーケットの将来について考える機会ともなりました。テレワークの普及やソーシャルディスタンスへの意識の高まりを背景に、ワーケーションや農泊、グランピングといった新たなコンテンツも注目され、コロナ前とは違った旅のカタチが提案されています。また、地球環境の変革を目指すGXや、SDGsを軸としたサスティナブルな旅について改めて考えていく必要があります。更にはDXを通じて、お客様の利便性を向上させるとともに積年の課題である生産性や収益性の改善にも取り組んでいかなければなりません。尚、コンプライアンスの徹底は言うまでもありません。
新たな時代にふさわしいツーリズムを実現するためには、旅行業界はもちろんのこと他業種、地域など観光に関わる全ての方々との「協調」「共創」は欠かせないテーマとなります。このような新たな局面を迎える中で、いかにしてお客様のニーズを満たす新たな商品やサービスを提供できるか、旅行会社としての真価が問われるものと考えています。
コロナ禍にあって私たちの唯一の心の支えは、多くのお客様が笑顔で旅行できる日を待ち望んでくださっているということです。こうしたお客様の気持ちにお応えするためにも引き続き感染防止を徹底しながら、会員各社一丸となって観光業界の「再生」を目指して全力で取り組んでまいります。本年も皆様のご指導・ご鞭撻を何卒よろしくお願い申し上げます。
日本旅行業協会(JATA)
会長 髙橋広行
※髙橋氏の「髙」ははしごだか。