エイチ・アイ・エス(HIS)は、同社子会社によるGoToトラベル不正受給問題で、リスク・コンプライアンス委員会を中心に再発防止に向けて実施している改善措置について、3月17日時点における進捗を発表した。
まず、コンプライアンス意識の改革については、国内外の子会社16社の経営層に対して、今後実施して行くガバナンス改善活動についての説明を実施。各社リスク管理責任者を専任するように指示し、その責任者と共にガバナンス改善を行っていく体制の構築をスタートさせた。今後、他国内外の子会社に対しても、同様の展開を拡充していく。
各社取締役会による監督機能の強化については、社長の業務執行に対する監視・監督機能を強化するため、関係会社管理規程を見直し。特にGoTo不正受給問題の要因の一つであった問題取引の早期把握については、リスク管理室に速やかに報告するよう規程に定めた。
親会社による子会社管理の強化について、GoTo不正受給問題に関与したミキ・ツーリストには福井茂氏、ジャパンホリデートラベルには中森達也氏を代表取締役社長への人事異動を行い、経営の立て直しに着手した。
また、今期の監査計画で予定している監査において、親会社、子会社共に助成金受給に関する項目を加え、監査を実施するなど内部監査も強化。
不祥事の早期発見のための取り組みとしては、グループ横断型の内部通報制度を導入。内部通報の制度を導入していなかった子会社では、内部通報制度を委託している企業との契約を順次締結していく。
さらに、情報システムでは、子会社におけるシステム担当者と連携強化を行い、利用しているメ ールサービスにおける証跡の記録と保存をはじめとする定期的なシステム管理のモニタリングを行うためのアカウント管理ガイドラインの洗い出しに着手した。