コンサルティングEY Japan社は、「EYスタートアップM&A動向調査2021」を発表した。国内スタートアップがM&A対象となった案件について、案件数の推移や買収金額のほか、M&A対象となったスタートアップの事業内容、買手企業の種別や目的などを解説したもの。
これによると、2021年の案件数は、前年比58%の143件。同水準で推移していた過去5年と比べ、大幅に増加した。IPO(32%増の123件)も増加したが、M&Aが上回った。
買収額は10億円以上が18件と大きく増加。BNPL(後払い:Buy Now Pay Later)決済のスタートアップの3000億円を筆頭に、100億円超の案件が3件(追加支払いによって100億円を超える可能性のある案件を含めると4件)で、M&Aの大型化が進んだ。プラットフォーマーと呼ばれるグローバル企業が買手として参入してきたことも、2021年の特徴的な事象だったという。
対象となったスタートアップの事業内容は、BtoBが85件でBtoCの約2倍に増加。また、M&Aの目的では、最多が既存事業強化(57%)、次いで新規事業創出(22%)となり、2020年の結果とは逆転した。
買手企業は全案件の85%を新興企業(2000年以降に上場・非上場企業)が占めており、EY Japanでは新興企業が既存事業強化の目的で多くのBtoBスタートアップをM&Aした様子が見て取れたという。調査の全文は以下のリンクで公開している。
2021年が飛躍に向けた転換点となるのか、活況を呈した国内スタートアップM&A- EYスタートアップM&A動向調査 2021 -