楽天グループが運営する旅行体験予約サービス「楽天トラベル観光体験」と上世屋獣肉店運営推進協議会は、京都府宮津市にある上世屋集落の暮らしを体験する3種類の体験プログラムの販売を開始した。環境省の「国立・国定公園での利用拠点を活用した自然体験プログラム推進事業」の一環。野生鳥獣による農作物被害への対策を体験プログラム化したもので、プランには農作業・猟体験や地元民との交流、ジビエランチなどが含まれる。
2021年度の全国の野生鳥獣による農作物被害は約155億円。国は対策としてジビエ利用量を2025年度までに約4000トンに倍増させる計画を掲げている。上世屋をはじめとする宮津市でも、毎年約1000頭を有害鳥獣として駆除。上世屋獣肉店運営推進協議会は、高品質なジビエの生産を通して、農林業や山の植生の維持に取り組んでおり、楽天グループの体験予約サイトでの販売を通じて環境省の事業に参画した。
プログラムは、「現役地元猟師と行く雪山での忍び猟体験」「現役地元猟師と行く上世屋集落のくくり罠猟体験」「棚田の村である上世屋集落での暮らし体験」の3つの日帰りツアー。いずれも、丹後天橋立大江山国定公園内の上世屋集落内外で2023年に実施する。
上世屋獣肉店は2018 年、移住者の雇用の場確保の一環として、住民の協力を得て開業。捕獲現場での処理から精肉まで一貫しておこなうことで、丹後半島の豊かな山々で育まれた鹿を高品質なジビエとして生産している。